親が乗っていた「高級外車」をもらったら税金はかかりますか?車の「評価額」がどうなるかも気になります
車にも相続税はかかる?
国税庁によると、亡くなった方の財産について、「現金、預貯金、有価証券、宝石、土地、家屋などのほか貸付金、特許権、著作権など金銭に見積もることができる経済的価値のあるすべてのもの」と定義されています。
そのため、車や持ち家といった現金以外の財産も相続対象になるでしょう。相続税の基礎控除は「3000万円+相続した人数×600万円」なので、車やほかの財産も含めた金額が基礎控除額を超えていれば税金が課されます。
車の評価額はどうなる?
国税庁では、車を始めとする一般動産の評価額は「原則として、売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価する」と定められています。
ただし、その価格が明らかでないときは、その動産と同種および同規格の新品の課税時期における小売価額から、その動産の製造の時から課税時期までの期間の償却費の額の合計額、または原価の額を控除した金額によって評価されるようです。
状況によって基準価格が変動するので、自分で分からないときは専門家へ相談しましょう。
車を含めて相続したときの税額の例
今回は、以下の条件で相続したときの税金を求めましょう。
・相続するのは自分1人
・車の評価額は2000万円
・家が2000万円、預金1000万円も相続
まず、相続する人物が自分だけなら相続税の基礎控除は「3000万円+1人×600万円」で3600万円です。相続財産の合計が5000万円なので、基礎控除額を引いた1400万円が相続税の課税対象になります。
課税金額が1000万円超~3000万円以下のときの税率は15%、控除額は50万円です。そのため、今回のケースだと相続税額は「1400万円×15%-50万円」となり、160万円が課されます。
車の相続後は名義変更手続きを忘れない
車の相続をしたときには、名義を親の名前から自分の名前へ変更しましょう。車の名義変更は手続きが複雑なため必要書類を用意して自治体の運輸支局へ相談することがおすすめです。
名義変更に必要な書類は以下のものがあげられるでしょう。
・申請書
・手数料納付書
・自動車検査証
・その車の所有者が確定できる遺産分割協議書や遺言書など
・戸籍謄本・戸籍の全部事項証明書もしくは法定相続情報証明書
・印鑑および印鑑証明書
など
車の管轄やナンバーを変える場合は、相続した車で手続きに行くとスムーズでしょう。
車も相続財産の一つとして計算する
相続財産は現金だけでなく住宅や車など、亡くなった方が保有していた経済的価値のあるすべての財産が対象です。相続人数に応じて変わる基礎控除額を超えていれば、相続税が課されます。
また、車を相続したときは名義を親から自分へ変更する必要があります。必要書類が複数あること、また手続きも複雑とされていることから、なるべく早く準備を始めたほうがいいでしょう。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4105 相続税がかかる財産
国税庁 法令解釈通達 第6章 動産 第1節 一般動産
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー