首位マンチェスター・ユナイテッドを勝点3差で追うチェルシー。リーグ3連覇を視野に入れる王者は、本拠地スタンフォード・ブリッジで5勝1分と圧倒的な強さを見せている。しかし、指揮官のジョゼ・モウリーニョは、ホームスタジアムに詰め掛けるファンに不満を抱いているようだ。

 歯に衣着せぬ発言で知られるポルトガル人監督は、サポーターにも厳しかった。チェルシーは、ホームのアストン・ビラ戦(8日、リーグカップ)とワトフォード戦(11日)に連勝したが、指揮官はあまりにも静かに観戦するサポーターを酷評。アウェイサポーターの声ばかりが響くスタジアムの現状を嘆いた。

「ホームの2連戦で、アウェイ側のスタンドからこんな歌が聞こえてきた。『4−0でリード。でもお前たちは歌わない!』。我がチームのサポーターは、どうして歌わないのだろうか? 彼らは静かすぎるんだ。本当に応援してくれるのは、ゴール裏のサポーターだけ。他のファンは、ただ試合を楽しんでいる。彼らにも一緒に戦ってほしい。そろそろ本格的な冬だ。試合中に声を出せば、暖かくもなるだろう? 我々はホームで結果を残している。もう少し応援してもらってもいいはずだ。1500人のアウェイサポーターの声しか聞こえないのは気に入らない」

 潤沢な資金でスター軍団を作り上げ、ビッグクラブの仲間入りを果たしたチェルシー。しかし、サッカーのビッグビジネス化は入場料の高騰を呼び、熱狂的なサポーターをスタジアムから追いやる一因となった。戦力の充実が、スタンドの声援を奪う皮肉。指揮官が吐露した苦悩には、根深い問題がはらんでいるようだ。