観客離れが叫ばれて久しいセリエAだが、今季もスタジアムへ向かうサポーターの足取りは重い。14日付のガゼッタ・デッロ・スポルト紙によると、セリエA第11節終了時点での観客数は計214万9675人。観客離れが深刻化した昨季、第11節終了時点での計236万6234人と比較しても、さらに減少していることが浮き彫りとなった。

FIGC(イタリアサッカー協会)による世論調査ではサポーターから「チケット代の高騰」、「身分照会による記名式チケットの不手際」、「競争による有料放送の低価格化」、「スタジアムへのアクセス不備」の声が昨季から挙がっていたが、スキャンダルの影響もあり“観客離れ問題”は先延ばし状態。ドイツW杯優勝で迎えた今季だが、ここまで1試合平均1万9542人と2万人の大台に届かない厳しい現実に直面している。

一方、サポーターで埋め尽くされるスタジアムもある。魅力溢れるサッカーで昨季旋風を巻き起こしたフィオレンティーナ、そして現在インテルと並び首位に立つパレルモ。攻撃に重点を置く両チームのホームスタジアムは常にサポーターの熱気で満ち溢れている。守備偏重のセリエAにおいて、「1−0勝利が最も美しい」との声が大半を占めた時代もあった。だが、他国リーグの存在が近くなった今、攻撃重視を望む声も多い。

99−00季には一試合平均3万419人だった観客数が今では2万人を下回っている。
全国区人気を誇る名門ユベントスの不在だけで、今季の観客減問題を済ませてはならない。