印西〜圏央道直結!? 夢の南北軸「千葉茨城道路」全通に向けて進行中 「橋」だけじゃない「完全新規ルート」どこまで具体化しているのか

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千葉県北端〜茨城県の「南北アクセス」進行中!?

 新たな「圏央道アクセス」となる高規格道路の構想が、国によって掲げられています。
 
 その道路の名前は「千葉茨城道路」。しかも一部はすでに開通済みだといいます。
 
 いったいどのような道路なのでしょうか。

千葉と茨城をつなぐ橋(画像:小石川人晃 、via Wikimedia Commons)

 千葉茨城道路は、印西市の北千葉道路から北北東へ伸び、龍ヶ崎市を抜けて、圏央道の阿見東IC付近へつながることとなっています。

【画像】超便利!? これが「千葉茨城道路」ルートと整備状況です(21枚)

 2021年に策定された国土交通省 関東地方整備局の「新広域道路交通計画」にリストアップされ、これから具体化の順番を待つ存在として認識されています。

 印西市では、ちょうど北千葉道路から北西へ伸び、国道16号のバイパスとして野田市まで至る「千葉北西連絡道路」が、概略ルート決定に向けて準備がはじまったところです。

 このように、都心から郊外方面へ、道路交通の「ハブ」となりつつある印西市。ここからさらに郊外へ伸び、圏央道に直結する「新たな東西軸」を形成するのが、千葉茨城道路です。

 実現すれば、龍ヶ崎市周辺にとって、常磐道も遠く旧態依然とした国道6号に頼らざるを得ない状況が、「都心まで信号ゼロ」な北千葉道路へ直結アクセスできるように変貌し、利便性向上に期待がかかります。

 気になる進捗ですが、実は千葉茨城道路の「一部」としてすでに開通済みの区間があります。それが、利根川にかかる「若草大橋有料道路」周辺です。

 若草大橋有料道路は2006年に開通。そもそも利根川は茨城県と千葉県にまたがる行政的背景もあり、橋がなかなか架けられないという悩みがあります。その中でもこのエリアはかつて栄橋〜長豊橋で「約15km」にわたって「橋空白地帯」となっていて、2本の橋はボトルネック状態で大渋滞、それでなくとも大きな迂回を強いられていました。

「千葉茨城道路」という将来を見据えるように、若草大橋の橋脚は、最初から4車線化に対応できるよう、2倍の幅が確保されています。また料金所周辺をはじめとして、都市計画道路の幅で道路敷地があり、中央分離帯つきの4車線道路の計画に対応しています。

若草大橋以外の区間もかなり進んでいる!?

 さて、では「若草大橋以外の区間」については、どこまで話が進んでいるのでしょうか。

鎌ヶ谷本埜線バイパスの概要(画像:千葉県)。

 実は茨城県側では、すでに「若草大橋〜圏央道」のプロジェクトが、工事手前まで進行しています。

 まず、2021年までに、若草大橋から北に7.6kmが「県道美浦栄線バイパス」として開通済み。残り3.4kmが事業中です。

 さらにそこから、小野川を越えて牛久市へ入り、そのまま圏央道までつなぐ「県道竜ケ崎阿見線」も、3.0kmが事業中。阿見東ICにつなぐ約1.0kmはすでに開通済みです。

 未開通区間の2工区は、どちらも2019年に事業化。2023年時点で、用地取得率は50%に達しているといいます。茨城県は「まとまった用地が確保できた箇所から、順次、工事を進めてまいります」としています。

 いっぽうの千葉県側ですが、こちらもまさに具体化へ動き出しているところです。

 若草大橋から南は、2024年3月に開通したばかりの「鎌ヶ谷本埜線バイパス」に直結するべく、検討がおこなわれています。鎌ヶ谷本埜線バイパスは、現道を経て印旛日本医大で北千葉道路につながる南北軸です。

 千葉県では2023年8月に「若草大橋延伸線協議会」が立ち上がりました。2024年8月20日には、2回目のワーキンググループ会議が開催されたばかりです。

 そこでは、概略ルートの決定方法などを整理していくことが確認されました。そのためにまずは、道路の基本構造などを固めていくこととなります。

 もちろんこれらは、暫定2車線でまず「新ルート完成」に向けた動きで、高規格道路としての全通ではありません。しかし、長いあいだ「道路ネットワーク空白地帯」だった印旛エリア〜龍ヶ崎エリア〜圏央道の「新道路」は、もはや夢物語ではなくなりつつあります。