「アンチは感謝すべき」50-50に迫る大谷翔平の凄みを元MLB戦士が訴え「別次元。本当に評価すべきだ」
偉業に迫る大谷。彼が生み出す娯楽は米球界でもトレンドとなっている。(C)Getty Images
「50-50」。いま、米球界でこのワードを見ない日はない。話題の中心にいるのは、ドジャースで異彩を放つ大谷翔平だ。
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大谷の異次元の身体能力を物語る数字だ。現地時間9月7日時点で打率.289、45本塁打、46盗塁、100打点、OPS.986の好成績を収めている30歳は、史上初の“50-50”、つまり「シーズン50本塁打・50盗塁」に迫っている。
トピックの切り取り方は多岐にわたっている。大半は大谷が「また史上初の快挙」をやってのけるかいなか、そしてどれだけ凄い記録なのかというシンプルなものだ。しかし、一部ではMVPの価値があるかどうかも論じられている。
そうしたムーブメントの中で、あらためて声価を高めているのは、「打者・大谷」のポテンシャルだ。右肘に執行した手術の影響もあり、今季はフルタイムの指名打者(DH)としてプレー。いわゆる“打者専任”となっているのだが、メジャー挑戦当時に「高校生レベル」と断じられもしたところから前人未到の領域に迫る成長と能力はやはり凄まじい。
現地の識者も唸る。元ヤンキースのショーン・ケーシー氏は、MLB公式ネット局『MLB Network』の番組内で「彼のやっていることは本当に信じられないことなんだ」と主張。さらに23年に導入された投手による牽制回数(3回)の制限、ベースサイズの拡大というルールによって、大谷の盗塁増加を“今までより楽になったからだ”と断じる一部の否定意見に対しては、「そもそものルールは変わっていないし、メジャーリーグで盗塁することは簡単じゃない。決して簡単じゃないんだ」と訴えた。
また、番組のMCを務めるグレッグ・アムシンガー氏に「ここからアンチオオタニの声は出てくると思う。でも、人々は目の前で起きている物事を正確に理解すべきだ」と振られたケーシー氏は、「全くその通りだ」と同調。そして、こう続けている。
「私たちは彼の偉大さに感謝すべきだ。アンチや否定的な意見を語る人がいることも知っているが、率直に『ショウヘイがやろうとしている50-50を信じられるか?』と言いたい。50盗塁もすることがどれだけ難しいか。そして50本もホームランを打つなんて別次元のことだ。本当に評価すべきだ」
快進撃を続け、さまざまな娯楽を生み出す大谷。活況を作り出す現状こそ彼の偉才たる所以とも言えよう。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]