サウジへの移籍は代表キャリアを終わらせるのか アーセナルレジェンドの見解は?「誰もがお金を稼ぐことはできるが、誰もが自国のためにプレイできるわけではない」
近年、ヨーロッパからサウジアラビアへ移籍するスター選手は増えてきているが、代表キャリアへ影響を及ぼすことはあるのだろうか。
先日、アヤックスからサウジアラビアのアル・イテハドにオランダ代表FWステーフェン・ベルフワイン(26)が移籍したことを代表指揮官ロナルド・クーマンが公の場で批判し、代表キャリアの終わりを示唆した。さらにこの批判に対し、ベルフワインが反撃したことでこの話題は今、大きな注目を集めている。
そんななか、アーセナルのレジェンドであるポール・マーソン氏は今夏、同じくサウジアラビアのアル・アハリに移籍したイヴァン・トニー(28)が今回イングランド代表に選ばれなかったことにも触れながら、英『Sky Sports』にて自身の見解を述べたようだ。英『Football 365』がその様子を報じている。
「私はクーマンの意見は正しいと思う。ベルフワインの意見は理解できない。彼にはまだ長いキャリアが残されている。もしサウジアラビアのリーグがそれほどまでに素晴らしく、彼らがそれを望むのであれば、5年、6年、7年後も残っているだろう」
「ベテランの選手たちの気持ちはよく分かる。本当に分かるんだ。イヴァン・トニーの気持ちも分かるよ。彼にはここでの選択肢が何もなかったから、あの契約を取るしかなかった。でも、イングランド代表チームに入るのは難しいだろうね」
「特に、これまでに多くの負傷者が出ているため、ハリー・ケイン以外にはフォワードとして活躍できる選手がいない。もし彼がこのメンバーに入っていなければ、他の試合でも彼がメンバーに入ることはないだろう。サウジアラビアに行くなら、プレミアリーグの基準ではない。招集されるべきではないと思う」
「正直に言えば、そこに行くのはキャリアの終わりに近づいているからだ。イングランドのようにすぐにスタンスを決めて、あとはそのまま進めばいいだけだ。選手たちはそれを理解しており、決断を下し、こう自問する。『お金を取るか、それとも自分の国のためにプレイするか?』と。誰もがお金を稼ぐことはできるが、誰もが自国のためにプレイできるわけではない」
同氏もサウジアラビアへの移籍は代表キャリアの終わりに近づくと考えているようだが、今もなお、クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル代表)やアイメリック・ラポルト(スペイン代表)らなどは代表に名を連ねている。
各国による代表メンバーの基準や監督によってもメンバー選考は異なるため、一概にはサウジアラビアへの移籍が代表キャリアに影響を及ぼすとは言えないだろう。しかし、ベテラン以外でもサウジアラビアへの移籍を決断する選手が増えてくると、様々な国でこの問題は議論されるようになるかもしれない。