元広島の助っ人が韓国で“覚醒” シーズン40号超えの驚異的打力に地元紙が冷静な指摘「日韓投手の差はかなりある」

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広島時代は、確実性に欠けたデビッドソン。(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 わずか1年で日本を去った元広島の助っ人は、隣国で“覚醒”している。

 昨季に広島に在籍し、今季から韓国プロ野球(KBO)のNCダイノスに所属するマット・デビッドソンは開幕から絶好調。今月4日のキウム・ヒーローズ戦で4試合連発となる41号本塁打を放ち、打率.294、108打点、長打率.617、OPS.978と軒並みハイアベレージを叩き出している。

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 112試合に出場した広島時代もチーム最多の19本塁打と持ち前のパワーは発揮した。一方で、打率は.210、OPS.698と確実性と勝負弱さを露呈した感が否めず。わずか1年で日本を去る形となっていた。

 そうした中で「日本に行く前から我々は彼を見守っていた」(イ・ソンナムGM談)と求められた韓国で一躍ブレイクを果たした。KBOは日本と比較して打高投低のリーグではあるものの、40号超えは並大抵ではない。やはりデビッドソンのポテンシャルの高さを感じさせる結果と言えよう。

 日本からやってきた助っ人の図抜けた活躍に、現地メディアも脱帽する。韓国の日刊紙『東亜日報』は「適応能力の問題だったのか、それとも投手力の違いなのか。日本で『失敗』の烙印を押された外国人打者デビッドソンが連日のように相手チームを苦しめている」とリポート。デビッドソンの1年目の好成績を「彼は『力だけはある』と評された選手だったが、韓国に来て正確性も大幅に向上した」と評した。

 また、同紙は、デビッドソンのブレイクを振り返るKBO球団の匿名スカウトマンによる日韓両球界の違いを紹介している。

「先発ローテーションの1、2番手を除いて、韓国と日本の投手の水準差は依然としてかなりある。とくに今年は差があるように感じている。KBOリーグには防御率が1点台の選手が一人もいないが、NPBには7、8人もそういう選手がいる」

 阪神でもプレーし、現在はKBOのKTウィズに所属するメル・ロハスJr.が2020年以来4年ぶりとなるシーズン40発を放ったデビッドソン。最終的に彼がどこまで数字を伸ばすかは注目したいところだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]