井上尚弥、対戦熱望する中谷潤人に弟の「壁」強調 「井上拓真は結構くせ者です」「壁はデカい」
一夜明けて会見
ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)は4日、4団体防衛から一夜明け、神奈川・横浜市内の所属ジムで会見した。前夜は東京・有明アリーナで元IBF世界同級王者TJ・ドヘニー(アイルランド)に7回0分16秒TKO勝ち。次代の最強と目されるWBC世界バンタム級王者・中谷潤人(M.T)との対戦について、弟の拓真(大橋)を倒した先にあるという姿勢を貫いた。
夢のビッグマッチの前に釘を刺した。井上と中谷を巡っては、2人と共同プロモート契約を結ぶ米興行大手・トップランク社のボブ・アラムCEOが、8月31日の取材で来年に実現したい希望を明かしていた。中谷も将来的な井上戦を熱望していることを常々口にしている。
これに対し、井上は「僕はこのままのスタンスでいく」と来年末頃以降のフェザー級転向を視野にフィジカル強化などを進めていく構え。一方で「彼がそういうステージにいけば候補になる」と中谷の転級などが前提にあることを強調した。
中谷も井上戦実現の前にバンタム級で4団体統一を目指す意向であり、井上の弟のWBA世界バンタム級王者・拓真も同じく兄に続く4団体統一が大目標。2人の統一戦が期待され、井上は「そこ(拓真)の壁がデカいんじゃないか」と指摘した。「まずは拓真を倒してこいということか」という問いに対し、兄として絶大な信頼を口にした。
「皆さんは中谷潤人がバンタム級で1位だとしているかもしれませんが、井上拓真は結構くせ者ですよ? 向こう(中谷)も『まずはバンタム級で』と言っていますし、拓真もそういう発言をしている。面白いと思います」
拓真と中谷は10月13、14日にそれぞれ防衛戦を予定。拓真は元日本王者・堤聖也(角海老宝石)を迎え撃つ。しばらく弟のサポートに回る井上は「仮想・堤で僕がスパーリング相手になりますよ。武居の練習で仮想・比嘉もやりました。堤とは何度もスパーをしているので僕がやります。(左右の構えの)スイッチをしながら」と笑い、援護を約束した。
自身の次戦は12月に都内でWBO&IBF1位サム・グッドマン(オーストラリア)が濃厚。来年は米ラスベガス開催が計画され、指名挑戦権を持つ元WBA王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)が有力候補となっている。「ボクシングが好きなので試合が楽しみですし、嬉しい」と次戦を心待ちにした。
(THE ANSWER編集部)