【写真・画像】「今日有休取ろうと思っていたのに、気づいたら残業」…“休暇恐怖症”の背景に“罪悪感”? 取り除く方法は? 1枚目

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 「今日有休取ろうと思っていたのに、気づいたら残業してた」
 「今年はまだ有休休暇も夏季休暇も取得していないけど、取る気がなくてこの状況じゃないんだよなあ」 

【映像】ここまで低いのか…海外と比較した日本の有休取得率(グラフ)

 一定の要件を満たす労働者に与えられる有休休暇。街の人からは「取りやすい」との声がある一方、ネット上では厳しい現実を嘆く声も。

 全国の社会人400人を対象にした民間調査では、およそ80%の人が夏季休暇や普段の休暇が「取りやすい」と回答。その理由として「取得しやすい雰囲気」を挙げる人が最も多い結果となった。

 一方、「直近1年の有休取得率」について聞いたところ、最も多かったのは30%〜50%未満の層。取得率が50%以上の人は半数以下だった。

 なぜ取りやすい雰囲気があっても、有休取得率が50%台にとどまるのか? 専門家は人手不足が原因で個人に“罪悪感”が生まれていると指摘する。

 「人手不足で代替要員がいないため、『他の人に迷惑がかかる』という罪悪感を生まれている。また、休んでも前後で忙しくなり『無理して休んでもそこまで良いことがない』と感じてしまうことも背景にある」(SOMPOインスティチュート・プラス 大島由佳上級研究員、以下同)

 罪悪感から「休暇恐怖症」状態に陥っている人もいる。また、有休取得率を上げるハードルになっている理由は他にもあるという。

 「育児など明確な休暇の理由がない場合、趣味で休みを取るなどと言いづらいケースも。また、ライフステージや年代によっても状況は異なる」

 企業の働き方改革や上司の声がけ、年5日の有休取得義務化などで、着実に取りやすくなっている有給休暇。有休の取得率を2025年までに70%にするという政府の目標を達成するには、個人が抱える“罪悪感”の解消がカギとなる。企業としてできることは何か?

 「まずは、業務の属人化を解消することだ。他の人に仕事を説明したり引き継ぐ中で無駄やリスクが洗い出され、仕事をより良い形にできることもある。人に教えることを企業全体で評価し、休みを取るために業務を見直す仕組みが大事だ」

 海外と比較しても日本の有給休暇取得率は低い。香港108%、アメリカ92%に対し、日本はわずか63%だ。

 この点について、ダイヤモンド・ライフ副編集長の神庭亮介氏は「実は日本は祝日が多い国。有休だけでなく祝日も合わせたトータルの休み日数は、諸外国と比べても少なくない」と指摘。そのうえで、有休取得で抱く“罪悪感”に関して以下のように述べた。

 「私自身、不在にする際にはどうしても『周囲の負担を増やして申し訳ない』と感じてしまうが、特に管理職は、あまりその気持ちを表に出すべきではない。上司が休む際に『忙しい時に申し訳ないのですが……』みたいな言葉が出ると、部下にも罪悪感が連鎖してしまう。もちろん繁忙期など一定の配慮は必要だが、いちいち理由を説明しなくても『有休取ります』の一言で十分ではないか。働き方改革より大切なのは、休み方改革。職場全体で休みやすい雰囲気をつくっていくことが重要だ」

(『ABEMAヒルズ』より)