井上尚弥に敗れたTJ・ドヘニー【写真:中戸川知世】

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世界スーパーバンタム級4団体防衛戦

 ボクシングの世界スーパーバンタム級(55.3キロ以下)4団体統一王者・井上尚弥(大橋)は3日、東京・有明アリーナで元IBF世界同級王者TJ・ドヘニー(アイルランド)との4団体防衛戦で7回0分16秒TKO勝ちした。敗れたドヘニーは前日計量から11キロも増量してこの試合に臨んだが、最後は腰を痛めたようで思わぬ決着に。試合後の会見で、大橋秀行会長は「大食い競争をしているわけではない」と、ドヘニーの大幅増量について指摘した。

 思わぬ異変は7回に起きた。開始直後、井上がコーナーで連打を浴びせた。すると、ドヘニーが腰付近を押さえながらノロノロと歩き、ゆっくりと膝をついてダウン。これでTKOが決まった。突然の幕切れに会場では「えー!」と叫ぶ人も。ドヘニーはコーナーに用意された椅子にもまともに座れていなかった。

 ドヘニーにとっては思わぬ形で、キャリア初のKO負けとなった。井上は会見で、11キロ増のドヘニーのパンチについて「多少感じましたけど、そんなびっくりするほどではなかったですね」とコメント。「ちょっと中途半端な終わり方になってしまった」と予想していなかった幕切れに不完全燃焼の思いを明かした。

 大橋会長は「ネリ以上に警戒していた」とドヘニーに対して語ったが、「作戦通り徐々にいってそろそろ仕留めにいくかなと思ったところで棄権しちゃった。ドヘニーが一番どうなるかは分かっていたと思う」と残念がった。

 続けて「体重が10キロ以上増えたのは、腰を痛めた原因があるんじゃないかなと思いますね」と、大幅な増量が負傷に影響した可能性を指摘。「何キロ増えたとか、大食い競争をしているわけではないので、あまり意味がないのかなと」と疑問を口にしていた。

(THE ANSWER編集部)