アイルランド・ダブリン南部のグランジ・キャッスル・ビジネス・パークに新たなデータセンターを建設するというGoogle Irelandの計画を、地元の議会が拒否したことがわかりました。アイルランドにおけるデータセンターの電力使用量が増加していて、Googleに割り当てる電力が不足していることなどが理由です。

Google plan for new data centre rejected in face of electricity supply pinch - The Irish Times

https://www.irishtimes.com/business/2024/08/27/council-refuses-permission-for-new-google-data-centre-amid-electricity-pinch/

Google refused permission to build new Dublin data centre

https://www.siliconrepublic.com/business/google-dublin-data-centre-planning-permission-ireland-refused-grange-castle

Google Refused Permission to Build Data Center Near Dublin - Bloomberg

https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-08-27/google-refused-permission-to-build-data-center-near-dublin

2023年夏の時点で、人口約520万人のアイルランドには82箇所にデータセンターがあり、さらに14箇所が建設中で、新たに40箇所の建設計画が承認されているとのこと。データセンターは多くの電力を消費しており、2023年には全体の消費量の約21%を占めるまでに膨れ上がっていて、この数字は2028年までに27%に達すると予想されています。

ダブリンには既にGoogleの欧州本社と2つのデータセンターがあります。Googleは新たに50エーカー(約20万平方メートル)の敷地に8つのデータセンターホールを建設する予定でしたが、南ダブリン群議会は「送電網の既存の容量不足と、データセンターに電力を供給するための再生可能エネルギーが不足していること」を主な理由として、建設計画を却下しました。



Googleは「2030年までに自社のデータセンターをカーボンフリーエネルギーで運営する」という目標を立て、新しい建設計画でも「2030年までに電力の80%を再生可能エネルギーで賄える」と説明していましたが、議会はGoogleによるアイルランドでの電力購入契約が不透明なことや、操業開始後に電力供給へ与える影響の詳細が不明であることを理由に申請を退けています。

加えて、既存のグリーンインフラ(小川や生け垣)の保護体制や、議会が定めた緑地率、その他郡開発計画の目的に準拠していないことも理由だと議会は説明しました。



Googleはアイルランドで5000人以上の従業員を雇っていて、新しいデータセンターの建設で800人、稼働直後に50人の雇用が創出されるはずでした。Googleはまた、データセンター周辺にオフィスやメインストリートを建設する予定でした。

規則では、Googleは議会の決定に対して1カ月以内に上訴することができます。メディアの取材に対し、Googleの広報担当者はコメントを控えました。