MetaがApple Vision Proの競合となるハイエンドMRヘッドセットの開発計画を中止したとの報道
Meta QuestシリーズなどのVRヘッドセットを開発するMetaは、Apple Vision Proの競合となるハイエンド複合現実(MR)ヘッドセットを開発しているとウワサされていたのですが、同社は開発プロジェクトを中止したことが報じられています。
Meta Cancels High-End Mixed-Reality Headset - The Information
https://www.theinformation.com/articles/meta-cancels-high-end-mixed-reality-headset
https://www.theverge.com/2024/8/23/24226856/meta-vr-ar-la-jolla-rumor-quest-pro-2
The Informationの報道によると、Metaは2023年11月時点で社内で「La Jolla」(アメリカ・カリフォルニア州にある高級住宅地)というコードネームで呼ばれるハイエンドMRヘッドセットの開発に着手していたそうですが、このヘッドセットの開発中止が2024年8月の第3週に社内で通達されたそうです。La Jollaの開発が中止とされた理由のひとつとしては、「コストの高いMicroOLED(有機EL)ディスプレイの使用が検討されていたこと」が挙げられています。
La Jollaは販売価格を1000ドル(約14万4000円)以下に抑えることを目標としていましたが、MicroOLEDディスプレイの製造コストの高さを考慮すると、これは非常に難しい挑戦だったそうです。さらに、AppleのハイエンドMRヘッドセットであるApple Vision Proが顧客や開発者に大きなインパクトを与えていることも、Metaにとっては逆風となっている模様。
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加えて、MetaはハイエンドMRヘッドセットに対する需要が本当に存在するのかどうかも懐疑的に見ているようです。その一因として、Metaが1499ドル(日本では税込22万6800円)で発売したハイエンドMRヘッドセット「Quest Pro」の評判が悪く、すぐに注目されなくなったことも挙げられています。
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なお、テクノロジーメディアのThe Vergeは、MetaがハイエンドMRヘッドセットの開発を中止したという一連の動きについて、「MetaがハイエンドMRヘッドセットというアイデア自体にうんざりしつつあることを示唆しています」と指摘しました。
一方で、Metaの最高技術責任者(CTO)であるアンドリュー・ボスワース氏は、The Informationの報道後に自身のThreadsアカウントを更新し、「私たちは常に多くの製品プロトタイプを開発しています。しかし、そのすべてが製品化されるわけではありません。あるものは前進させ、あるものは見送るといったように、製品開発プロジェクトを中止するという決断は常に起こっていることであり、1つ1つの決断についての雑談に基づいた話は、決して本当の姿を伝えるものではありません」と投稿しました。
なお、Metaは2024年9月にMeta Connectというイベントを開催予定で、この中で新型ARグラスが発表されるのではとウワサされています。