ウェブブラウザ「Google Chrome」の最新安定版であるバージョン128がリリースされました。ルビの表示が大きく改善され、ルビの配置を調整することも可能になっています。

New in Chrome 128  |  Blog  |  Chrome for Developers

https://developer.chrome.com/blog/new-in-chrome-128

New in Chrome 128: line-breaks for the ruby element, Promise.try, and more - YouTube

◆ルビを使用した際の配置を改善

<ruby>タグを使用すると、文字の上にルビを表示することができます。



これまで、長い文字列に長いルビを設定するとページ端に到達した際にそれぞれが改行されて読みづらくなっていました。



Chrome 128からはテキストとルビが一体となって改行され、読みやすさが向上しています。



また、これまでルビが設定されている部分はできるだけ一つの塊となるように改行位置が設定されていました。



Chrome 128からはルビ付きの部分であっても問題なく改行できるようになっています。



その他、「ruby-align」プロパティを使用することでルビの表示を調整することが可能になりました。



◆「Promise.try」をサポート

PromiseはJavaScriptにおいて非同期処理を行う仕組みです。関数においてPromiseを返す場合と返さない場合が混在している時、下記のように記述することでどちらの場合でも適切な処理を行う事ができましたが、関数の実行が不必要に1ティック遅くなるというデメリットがありました。



Chrome 128では「Promise.try()」がサポートされ、関数の戻り値が何であっても適切に処理できるようになりました。Promise.try構文を使用する際に発生したエラーは通常のPromiseと同様に「.catch()」にて処理可能です。



◆「PointerEvent」に「deviceProperties」が追加される

ペンタブレットなどの入力機器において複数のペンを同時に使用する時、devicePropertiesに含まれる「uniqueId」を使用することでそれぞれのペンを永続的に識別することが可能になりました。

◆その他のアップデート

・要素の拡大レベルを制御する「zoom」プロパティが最新の標準に準拠しました

・音声を処理する「AudioContext」でのエラーが「AudioContext.onerror」で受け取れるようになりました

・開発者ツールのアニメーションパネルにおいてキーフレームをリアルタイムで編集可能になりました

次期安定版の「Google Chrome 129」は現地時間の2024年9月17日にリリース予定です。