リバプールのラファエル・ベニテス監督が、イタリアに新天地を求める可能性が浮上している。世界でも有数の戦術家として知られるベニテスは、リバプールの監督に就任した2004-05シーズンにチャンピオンズ・リーグのタイトルを獲得。2年目の昨シーズンにもFAカップで優勝するなど、イングランド屈指の名門を復活に導いたその手腕は高い評価を受けている。しかし、今シーズンは、国内リーグで早くも首位マンチェスター・ユナイテッドに勝点11差をつけられる苦しい戦い。事実上のタイトルレース脱落に加え、選手を固定しないローテーション・システムが批判を浴びるなど、その周辺が騒がしくなりつつあった。

 そんな折、ベニテスの代理人を務めるマヌエル・ガルシア・キロンが、衝撃のコメントを発表。このスペイン人監督には、セリエAでの監督就任を検討する準備があると示唆したのだ。

「リーグのスタイルを考えれば、ベニテスに理想的なのはセリエAだろう。彼は、世界でも3本の指にはいる優秀な監督だ。興味深いオファーがあれば、もちろん選択肢の1つとして考えるはずだ。リバプールを離れる可能性もあるということだよ。彼は、1日24時間仕事のことを考えている。その取り組み方を真似できる監督は、世界を探してもほとんどいないはずだ」

 キロン代理人の発言を受け、リバプールは「監督は現状に満足している」との声明を発表。今夏、2010年までの契約延長に合意した46歳の指揮官の政権続行を強調した。しかし、一部メディアでは、解任が噂されるカルロ・アンチェロッティに代わり、ACミランの監督に就任するというシナリオが伝えられるなど、その去就には俄然注目が集まる。日曜日に控えるアーセナルとの大一番の結果次第では、ベニテスの動向に大きな動きが見られる可能性もありそうだ。