駅弁(おかめ弁当)を片手に、京都から金沢に向かう列車「サンダーバード」を待つ

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インバウンド需要に沸いている日本。観光地はもちろん、大きな都市ではどこに行っても外国人の姿が目に入ってきますが、日本に住み、インフレ&物価高の影響を大きく受けている日本人からすると「日本の何がそんなに良いのか?」と疑問に思ってしまいますよね。
そこで、すこし日本にゆかりのある外国人に「日本の印象」を聞くことで、我々が忘れかけていた日本の素晴らしさに改めて気づくことができるかもしれません。

カナダ・バンクーバー在住アーティスト、ジョセフ・カンニングハムさん(29歳)。彼のパートナーは日本人女性で、彼女といっしょに2023年の秋に、初めて1ヶ月間日本に滞在しました。彼は幼い頃から日本の文化に深く興味があったそうです。

アーティストならではの強い感受性と審美眼を持ちながらも、カナダ人男性らしいワイルドな部分を併せ持つジョセフさんに日本の印象についてインタビューしました。筆者(古川紋)にはなかった斬新な視点から見た日本の魅力など、とても興味深い話を聞くことができました。

◆大好きな日本人は「松岡修造」!

「好きな日本人は誰か?」という質問に、「松岡修造」が大好きだと語るジョセフさん。正直、意外な答えだと思ってしまいました!

“熱い男”の日本代表として、松岡修造が魅力的なことは間違いありませんが、海外の人からはじめに聞く日本人の名前は、「イチロー」「北野武」「ゴジラ松井」「大谷翔平」「黒澤明」が多いからです。

彼に理由を聞くと、目を輝かせてこう答えてくれました。

「たまたまインスタグラムを流し見していた時に、彼が『諦めんなよ!』と叫ぶ動画が出てきたんです。彼のことを全く知りませんでしたし、日本語は理解できませんが、動画から凄まじい情熱が強く伝わってきました。後々、彼が元プロテニス選手ということを知って、彼の熱さはそのバックボーンからきているのだと納得しました」

34秒の短い動画で、松岡修造はマイナス10度の極寒の中、腰から下を湖に浸しながら「ダメダメダメ、諦めたら!」「俺だってしじみが採れるって頑張ってんだよ!ずっとやってみろ!必ず目標達成できる!だからこそ、NEVER GIVE UP!!!」とカメラに向けて熱く語っていました。

筆者はこの動画の存在を知らなかったのですが、どうやら10年以上前にインターネット上で流行ったものらしいのです。YouTubeに英語の字幕付きで非公式に転載された動画にいたっては1000万回近く再生されています。

人間の情熱は、国を超えるパワーがあるのだと改めて感じました。

◆尊敬する日本人は「宮本武蔵」

ジョセフさんに尊敬する日本人を聞いてみると、その答えは「宮本武蔵」でした。

「剣豪として知られていますが、実は芸術家でもあり彼の作品は重要文化財としても指定されているほど。さらに作家として本の出版もするなど、僕は幅広い分野で優れた才能や知識、技能を持つ人物を尊敬しているので、宮本武蔵は理想の男性像ですね」

外国人から人気でも「理解できなかった」日本食レストラン

日本に滞在した時にジョセフさんが驚いたのは「自分でお好み焼きや焼きそばを鉄板で焼く飲食店」だそうです。日本のローカルフードとしてお好み焼き・鉄板焼きは、外国人から人気が高まっていますが、彼の理由を聞いて、思わず納得してしまいました! 笑顔でこう続けます。

「服に匂いがつくし、そもそもなぜお金を払って自分で料理をしなければならないのか疑問に感じます。美味しいですけどね」

◆日本で「素晴らしいと感じた」トイレ事情

日本で素晴らしいと感じたことを聞くと、「トイレとお風呂が別々にあることが素晴らしい!」とジョセフさんは熱く語ります。カナダでは一つのバスルームの中に全てがまとめて入っていることが多いので、「体を綺麗にする場所と汚い場所を別々にすることは非常に理にかなっている!」と感動したそうです。