バルセロナのサミュエル・エトーが、彼の第2の故郷とも言えるマジョルカに出発した。9月27日に行われたチャンピオンズリーグ、ベルダー・ブレーメン戦で右膝半月板を損傷し、全治5ヶ月と診断されたエトー。そのケガも順調に回復し、いよいよリハビリの第2ステージに突入する。誰にも邪魔されることなく、落ち着いた環境の中で、さらに自分の家もあるマジョルカに場所を移し、トレーナーとともにリハビリメニューをこなしていく予定だ。リハビリに集中したいというエトーの並々ならぬ意欲が感じられる。

復帰の期日については具体的に明かされていない。「期日は設けない。僕は1日1日を大事にして努力していくつもりだ」と彼らしい言葉で伝えているが、1月中の復帰をエトーは目指しているようだ。とはいえ、「すべては僕のヒザ次第。ヒザの具合を見ながらできる限りのことをしていくつもり。無理してこれまでの努力を無駄にしたくはないからね」とはやる気持ちにブレーキをかけることも忘れない。焦りは禁物であることもエトーには十分に分かっている。

おそらく今シーズンは無理だろうとされるピチーチ(リーガ得点王)獲り。しかし、エトーからその意欲は消えてはいなかった。

「ピチーチだって不可能じゃないよ。毎シーズン、僕は目標ゴール数を決めそれに挑戦している。大事なことなんだ。今だってリーガで26ゴールをマークできると思っているよ。あと21ゴール足りないけれどね。もちろんチームのタイトルが最優先だよ。でも、ピチーチ獲得の可能性もまだ諦めたわけじゃない」。

この意欲と情熱こそがエトーのリハビリのエネルギーとなり、成功をもたらすカギとなることは確かだ。エトーの自分自身との戦いが始まった。