一人暮らしの66歳母が年金「月8万円」とパート収入「月5万円」で生活していることを知りました。「生活には困らないから」と言うのですが本当でしょうか…?

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一人暮らしで66歳の母親との会話で、母親の月々の生活費年金の8万円とパート収入の5万円だと知った人がいるかもしれません。本人は「生活には困らない」と言っているものの、本当に大丈夫か不安な人もいるでしょう。 今回は年金受給額の平均や高齢者一人暮らし世帯における1ヶ月の生活費平均、生活費に困った際の相談窓口についてまとめました。

年金受給額の平均は?

年金受給額の平均は、国民年金と厚生年金で異なります。厚生労働省が公表している「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和4年度末時点における国民年金と厚生年金の平均年金月額は表1のようになっていました。
表1

年金の種別 平均年金月額 国民年金(老齢基礎年金) 5万6428円 厚生年金
※老齢基礎年金を含む 14万4982円

出典:厚生労働省「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」を基に筆者作成
また、日本年金機構によれば、令和4年度の国民年金額は満額で6万4816円とのことです。このことから、今回の事例の月8万円の年金国民年金と厚生年金の2つを足したものと想定できます。
 

高齢者一人暮らし世帯における1ヶ月の生活費は?

65歳以上の高齢単身無職世帯における1ヶ月の消費支出について、総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)結果の概要」では14万3139円と発表されていました。消費支出の内訳として、主な内容は表2の通りです。
表2

項目 月平均額 食料 3万7485円 住居 1万2746円 水道光熱費 1万4704円 家具・家事用品 5956円 被服および履物 3150円 保健医療 8128円 交通・通信 1万4625円 教養娯楽 1万4473円 そのほかの消費支出 3万1872円

出典:総務省統計局 「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)結果の概要」を基に筆者作成
今回の事例では、13万円で生活に困っていないと親が言っているため、以下のケースが想定できるでしょう。
 

・貯蓄を切り崩しながら生活している
生活費節約して13万円以内におさえている

上記のうち、生活費節約している場合は特に問題はないと考えられます。自身が困らないレベルで生活できていると想定されるため、今後も金銭面のトラブルにつながる可能性は低いでしょう。
逆に貯蓄を切り崩している場合は、将来的に貯金が不足する可能性もあります。年齢が上がっていくと収入を増やすのも難しくなると考えられるため、収入に関して不安がある場合は、支出面で見直せる部分がないかを確認してみるとよいでしょう。
 

高齢者生活費に困った際の相談窓口

月に13万円の収入で普段は困らなかったとしても、急に大きな出費がともなう場合は、生活費が不足する可能性があります。もし高齢者生活費に困った場合は、社会福祉協議会に相談できるでしょう。社会福祉協議会は全国や各自治体に窓口を構えており、生活福祉資金に関する相談などを受け付けています。
政府広報オンラインによれば、「生活福祉資金貸付制度」とは主に低所得者や高齢者、障害者などが安定した生活を送れるよう、都道府県の社会福祉協議会が資金の貸し付けと必要な相談や支援を行う制度を指します。
なお、制度には利用条件が設けられています。社会福祉協議会の窓口で相談できるため、必要に応じて利用してみてください。
 

合計で月13万円の収入しかない場合、毎月の生活費が不足する可能性も考えられる

総務省統計局の「家計調査年報」によると、65歳以上の高齢単身無職世帯における1ヶ月の消費支出は14万3139円となっていました。そのため、月に13万円しか収入がない場合は、生活費が不足する可能性も考えられます。
少しでもリスクを減らすには、まず月にどのくらいの支出があるのかを確認しましょう。そのうえで支出を減らすことが難しい場合は、社会福祉協議会などの窓口への相談も検討してみてください。
 

出典

厚生労働省 令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況 II.厚生年金保険 (2)給付状況 表6 厚生年金保険(第1号) 受給者平均年金月額の推移(8ページ)、III.国民年金 (2)給付状況 表20 国民年金 受給者の平均年金月額の推移(19ページ)
日本年金機構 令和4年4月分からの年金額等について
総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)結果の概要
政府広報オンライン 生活にお困りで一時的に資金が必要な方へ「生活福祉資金貸付制度」があります。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー