2006年のバロンドール(欧州最優秀選手)受賞者の発表を11月27日に控え、候補者50名にノミネートされているアーセナルのFWティエリ・アンリが、現在の心境を語った。

 バルセロナのロナウヂーニョが受賞した昨年のバロンドールで、4位に選出されたアンリは、「意識した時期もあったけど、もう考えるのはやめた」と、賞へのこだわりを否定。また、受賞した場合でも、その手柄は決して自分一人のものではないという。

「バロンドール受賞が僕の目標ではない。個人の賞のためにプレーしたことはないよ。もちろん受賞できれば嬉しい。フランスの育成システムや、僕のルーツである西インド諸島に賞を捧げたい。それに、父親も喜んでくれるだろう。受賞できるなら、式典には父と参加したいね。ただ、こういった賞を勝ち取れるのも、すべてはチームのおかげ。もし受賞できたら、ファンへの報告もチームメイトと一緒にしたいと思っている」

 世界屈指のFWと評価されながら、これまでバロンドールとは縁がなかったアンリ。今年はアーセナルとフランス代表を、それぞれチャンピオンズ・リーグとワールドカップというメジャートーナメントで準優勝に導いた。「別に誰かと賞を争うつもりはない。強いて敵と言えるのは、投票する記者連中かな」と笑う希代のストライカーは、無欲で受賞者の発表を待つようだ。