アスレチックス戦に出場したドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】

写真拡大

日本人初の30-30達成…ロバーツ監督が絶賛したマッカローコーチとの関係性

【MLB】ドジャース 10ー0 アスレチックス(日本時間4日・オークランド)

 記録達成の裏側には信頼するコーチの存在があった。ドジャース大谷翔平投手は3日(日本時間4日)、敵地・アスレチックス戦で日本人初となる30本塁打&30盗塁を達成した。30盗塁はすでにキャリア最多。クレイトン・マッカロー一塁コーチとの“対話”が盗塁数の増加につながっている。

 この日、初回に二盗を成功させ、9回に再び二盗、三盗。警戒されている中でも悠々成功させた。7月は月間12盗塁を記録し、今回は自身初の1試合3盗塁。45盗塁ペースとなった。試合後、デーブ・ロバーツ監督が絶賛したのがマッカローコーチとの関係。「投手を性質を読むということに関して、彼らの間には信頼がある」と明かした。

 打者専念が決まっていたシーズン。スプリングトレーニングから走塁を強化してきた。昨季終了時点でのメジャー通算成績は119回中86回の成功で成功率は.723。今季はここまで35回企図し31個の成功。成功率.880と“確実性”にも磨きをかけている。

 マッカローコーチはシーズン終盤に差し掛かり、大谷の走塁も進化していると見ている。具体的に3つの要素を挙げて説明した。最初に挙げたのはロバーツ監督も絶賛した“投手の研究”。「癖を掴もうとしている。けん制と投球でモーションが違うことがあるし、(モーションの)速さによってわかることもある」説明する。

自信とスピードアップも不可欠「ミスをしてもカバーできる」

「(大谷から)『どう思う?』って意見を聞いてくるんだ。『私はこのようには感じなかった』って言うときがあるんだけど、大事なのは彼が実際に見て、感じたこと」。しっかりと“議論”もできているようだ。

 そして「2つ目は自信。成功体験をした」と振り返る。盗塁の数が増えるにつれ、感覚は研ぎ澄まされていく。「彼は今、どれくらいの時間があれば走れると自信をもって答えられる」とシーズン開幕時との変化を実感している。

 単純なスピードも大谷の盗塁増では欠かせない要素だ。スプリングトレーニングではトラビス・スミストレーニングコーチと走塁フォームを確立。「スピードがあることでミスをしてもカバーできる。あと、加速も進化した」。実際にこの日の30盗塁目はスタートは決して良くなかったが、セーフになった。

 現在、48本塁打、45盗塁ペース。50-30、45-45なら史上初めての快挙となる。マッカローコーチは「彼はいつでも今まで見たことのない新しいことをやってのけてしまうから、具体的な目標(数字)は言わないよ」と笑顔を見せた。30-30は通過点。二人三脚で前人未到の偉業を目指していく。(川村虎大 / Kodai Kawamura)