「脳梗塞」発症のリスクを上げやすい「食べ物」はご存知ですか?医師が解説!
脳梗塞の予防法とは?Medical DOC監修医が脳梗塞の予防法・なりやすい人の特徴・予防する可能性の高い食べ物・発症のリスクを上げやすい食べ物などを解説します。
※この記事はMedical DOCにて『「脳梗塞を予防」する可能性の高い食べ物はご存知ですか?医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
≫「脳出血の前兆となる初期症状」はご存知ですか?治療法や予防法も医師が徹底!監修医師:
村上 友太(東京予防クリニック)
脳神経外科専門医、脳卒中専門医、抗加齢医学専門医。日本認知症学会、日本内科学会などの各会員。
「脳梗塞」とは?
脳梗塞とは、脳への血流が低下・途絶することで脳細胞が死んでしまう病気です。その脳細胞の機能が失われることで、うまく話せなくなったり(失語)、顔や手足が動かせなくなったり(麻痺)、しびれや感覚の違和感が現れたり(感覚障害)、とさまざまな症状が出現します。脳梗塞は発症早期の迅速な治療で症状を軽くできる場合もありますが、後遺症が残って生活に支障が出てしまうことも少なくありません。脳梗塞を含む脳卒中は、65歳以上で介護が必要になる原因の第2位であり、健康で自立した生活をつづけるためには脳梗塞を予防することは非常に重要です。
この記事では脳梗塞をどのように予防するかについて解説します。
脳梗塞発症のリスクを上げやすい食べ物
バター・マーガリン
牛乳などの乳製品については全脂肪乳製品と低脂肪乳製品で脳梗塞の発症リスクに差はないとされており、ヨーグルトやチーズなどについては少量であればリスクを下げるとも言われています。一方でバターやマーガリンに関しては飽和脂肪酸の割合が多いため、容易に過剰摂取となって動脈硬化を引き起こしやすいです。日常的な摂取は避けたほうが良いでしょう。
アルコール
1日缶ビール1本程度(エタノール24g/日未満)の少量の飲酒は脳梗塞のリスクを下げるとされていますが、大量の飲酒(エタノール48g/日以上)は脳梗塞のリスクを上げることが知られています。飲酒をする場合には少量にとどめて、休肝日を作るなど、節酒を行いましょう。
肉類
牛や豚、鳥などの脂肪は飽和脂肪酸を多く含んでおり、過剰な摂取は動脈硬化のリスクとなります。脂身を避けて赤身の肉を食べることや、魚や大豆製品を主菜にすることなどで摂取量を減らし、過剰な摂取にならないように気を付けるとよいでしょう。
つけもの、スナック菓子、ラーメン
塩分の過剰摂取は高血圧を引き起こし、脳梗塞の発症リスクを高めます。漬物などの塩蔵品、スナック菓子、ラーメンなどは塩分が多く含まれるため、日常的な摂取は避ける、食べるときにも少量に留める、スープなどは飲まないなど、塩分の摂取量が少なくなるように注意が必要です。
「脳梗塞の予防」についてよくある質問
ここまで脳梗塞の予防などを紹介しました。ここでは「脳梗塞の予防」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
脳梗塞の予防に効果的な運動について教えてください。
村上 友太(むらかみ ゆうた)医師
1日30分以上の有酸素運動が好ましいです。無理のない程度の運動を続けることが大切であり、ウォーキングなどでも十分に効果があります。
コーヒーを含めたカフェインの摂取で脳梗塞発症のリスクを軽減することはできるのでしょうか?
村上 友太(むらかみ ゆうた)医師
中国で行われた研究では、紅茶やコーヒーなどのカフェイン摂取の多い人では脳梗塞や心筋梗塞などのリスクが高くなったことが報告されています。一方で、日常生活で摂取する程度のカフェインではリスクが変わらないとの報告も複数あるため、飲用を控える必要はないと考えられます。
脳梗塞を予防するために水分はこまめに摂取した方が良いですか?
村上 友太(むらかみ ゆうた)医師
動脈硬化の強い人(特に脳動脈の狭窄のある人)は脱水をきっかけに脳梗塞を発症することがあります。また脱水をきっかけに血液が濃縮することも脳梗塞のリスクとなるため、水分はこまめに摂取することが望ましいです。
編集部まとめ
脳梗塞は特に高齢者において介護が必要になる大きな要因の一つであり、予防と発症直後の迅速な治療が必要な病気です。脳梗塞は生活習慣病とも関連しており、脳梗塞の予防には生活習慣の改善、生活習慣病をすでに発症している場合にはその治療が非常に重要となります。
今回は脳梗塞の予防について概説いたしましたので、記事を参考に生活習慣の改善に取り組んでいただければ幸いです。
「脳梗塞の予防」と関連する病気
「脳梗塞の予防」と関連する病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
循環器科の病気
高血圧症
心房細動
心筋梗塞内分泌系/代謝内科の病気
2型糖尿病
脂質異常症メタボリックシンドローム日頃の生活習慣を改めることで、生活習慣病の発症を抑えることが可能であり、脳梗塞の発症する危険性も減らすことができます。
「脳梗塞の予防」と関連する症状
「脳梗塞の予防」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
関連する症状
顔がゆがむ
うまく話せない
手足が動かしにくい
しびれがある/感覚が鈍い
ふらついて歩けない
上記のような症状が急に現れた場合には、脳梗塞を含めた脳卒中が疑われます。一時的な症状で済む場合でも、脳梗塞の前兆である可能性もあるため、すぐに医療機関を受診して治療することが望まれます。
参考文献
健康・福祉(内閣府HP)
脳卒中レジストリを用いた我が国の脳卒中診療実態の把握(日本脳卒中データバンク)