2024年下半期!知っておきたい5つの腸活トレンドとは?腸活スペシャリスト・内藤裕二先生を直撃【美腸活の処方箋vol.1】
◆2024年下半期!知っておきたい5つの腸活トレンドとは?腸活スペシャリスト・内藤裕二先生を直撃【美腸活の処方箋vol.1】
食生活や睡眠など日々の心がけで腸を整えると、お肌ツルツル、ココロ健やかといいことづくめ! そんな話題の「腸活」できれいと健やかさをパワーアップするコツをスペシャリストから学ぶ「美腸活の処方箋」がスタート。第1回目は日々アップデートする腸活の最新事情の中から、2024年下半期のトレンドを腸内細菌研究で名高い、内藤裕二先生に伺った。今知っておきたい注目のトレンド5つを発表!
◆内藤裕二先生に聞く!どうして腸を整えるといいの?
プチ不調の改善へとつながったり、ココロもハッピーに
美肌、ダイエット、免疫…。 腸は、ココロとカラダを整えることに大きく影響すると少し前から注目されている器官。すでに腸を整える健康習慣「腸活」を実践している人が増えている一方、なぜよいのか正しい知識やコツは、実はあいまいという人も。
「腸を整えると便秘や下痢などお腹のトラブルをはじめ、肌荒れやむくみ、生理痛などのプチ不調を改善できるというのは、昔からよく知られていることですよね。ですがこの数年で腸内細菌に関する研究が進み、脳や肝臓などさまざまな器官にもいい影響があることが分かってきました。
また、腸内環境が整うと、体の代謝を促すという研究結果も出ています。さらには、睡眠の質を高めたり、免疫力の改善、メンタルが整ったりと一見、腸と直接関係のなさそうなメリットも多岐にわたり解明されています」(内藤先生)。
まずは気になる腸活の最新トレンドを知って、毎日お腹やお通じのチェックをしたり、生活習慣を見直したりと、日々の生活に取り入れていきましょう!
<腸活のいいこと>
・お腹のトラブル改善
・免疫力アップ
・体の代謝を促しヤセ体質に
・睡眠の質を高める
PROFILE
内藤裕二先生
京都府立医科大学大学院医学研究科 生体免疫栄養学講座教授。腸内細菌研究の第一人者であり、酪酸産生菌と健康長寿の関係などの研究をはじめ、腸内細菌を長年研究し続けている。著書に「100年腸〜最強食物繊維があらゆる不調を改善!」(内外出版社)ほか。
◆2024年下半期!知っておきたい5つの腸活トレンド
TREND1_新しい概念「ガットフレイル」が誕生
「腸に関する研究が進む中、2023年に“ガットフレイル”という新しい概念が生まれました。“ガット”は胃腸や消化管、“フレイル”は虚弱という意味があり、つまりガットフレイルは“胃腸の働きが悪い”状態のことを指します。
健康な人の中にも、胃腸の不快な症状によって、気付かないうちにプライベートや仕事のパフォーマンスが落ちてしまっている人が実はたくさんいます。大事なプレゼンの前に緊張から腹痛になった、不安なことがあると食欲が落ちる、というような経験のある人も少なくないのではないでしょうか?
“ガットフレイル”が浸透することで、このような自分でも見落としやすい症状に気付き、対策ができるようになります。近い将来、『最近仕事の調子が上がらないけど、ガットフレイルかな』というような会話が日常的にされる日が来るかもしれません」(内藤先生)
腸活Point
今まで気にしていなかった不調にも目がいくようになり、より健やかな毎日を送れる“ガットフレイル”は2024年下半期のマストワード。
TREND2_「発酵性食物繊維」で腸内環境を整えよう
「今まで食物繊維は、水に溶ける(水溶性食物繊維)か、溶けない(不溶性食物繊維)かという特性によって大きく分類されてきました。近年は、腸内でどれくらい発酵するかという“発酵性レベル”で分類するべきだという考えが広まってきています。
その流れの中で注目を浴びているのが、“発酵性食物繊維”です。“発酵性食物繊維”は、体に良い働きをする善玉菌のエサとなり、腸内の善玉菌を増やす働きがあります。善玉菌が増えると、腸の動きを活発化させるとともに、脂肪の蓄積を抑える“短鎖脂肪酸”も多く生み出されます。その結果、“短鎖脂肪酸”が腸内に定着しやくなり、腸内環境が整っていくというわけです。
“発酵性食物繊維”にもさまざまな種類がありますが、腸活で特におすすめなのは、高発酵性かつ植物性のもの。例えば根菜類、穀類、緑黄色野菜、大豆、果物、海藻などから多く摂ることができます。ほかにも、最近注目されている“グアーガム分解物”という高発酵の水溶性食物繊維もおすすめです」(内藤先生)
腸活Point
腸を健やかにしたいなら、発酵性食物繊維が多く含まれる、ゴボウやサツマイモ、オーツ麦や玄米、キウイやミカンなどを積極的に摂ろう。
TREND3_ヤセ菌「ブラウティア菌」&肥満菌「Fusimonas intestini(FI)」の発見
「腸内細菌は民族によってその特徴が異なりますが、2020年、日本人特有のヤセ菌“ブラウティア菌”が発見されました。“ブラウティア菌”は脂肪をつきにくくし、肥満を予防・改善する働きがあります。腸内細菌中1%以上持っている日本人は約9割。ほとんどの日本人が保有する一方で、占有率が6 % 以上でなければその効果が発揮されないこともわかっています。ただ、自分がどのくらい持っているかの保有率の測定診断は開発段階なので、続報に期待です。
また2023年には、『Fusimonas intestini(FI)』という細菌が、肥満や高血糖を悪化させるという研究結果が発表されました。いわゆる“肥満菌”といわれるもののひとつですね。“FI”は、高脂質な食事に反応して、健康に有害な“脂肪酸”をつくります。
“ブラウティア菌”を増やす、また“FI”を減らす方法で今言えるのは、バランスの良い食事を心がけること。これからもっと研究が進めば、さらなる良法が見つかるかもしれません」(内藤先生)
腸活Point
“ブラウティア菌”も“FI”もまだまだ研究の途中。今後もっと詳しいことが解明されたら、ダイエットの強い味方になってくれそうです。
TREND4_「脳腸相関」で、腸とメンタルを健やかに
「“腸は第2の脳”ともいわれており、腸と脳は自律神経やホルモンを介して非常に密接な関係にあります。
例えば、脳がストレスを感じる→腸の調子が悪くなる→不腸が精神的ストレスを招く。反対に、脳がリラックスする→腸の調子が良くなる→お腹の調子がいいと快適に過ごせる、というように互いが影響を与え合っているのです。
このように脳と腸が互いに影響を及ぼし合う関係を“脳腸相関”といい、この数年メディアでも話題になることが増えてきました。
大切なのは、脳腸相関の仕組みを意識して好循環をつくっていくこと。脳と腸どちらかが不調なときは、もうひとつを整えることで改善が期待できます」(内藤先生)
腸活Point
仕事や人間関係のストレスなど簡単に取りのぞけないのなら、腸を整えて脳をリラックスさせてみよう。
TREND5_「酪酸菌」を育てて免疫ケア
「世界中の腸内細菌の研究者たちが注目している菌に、“酪酸菌(酪酸生産菌)”があります。“酪酸菌”は、ヨーグルトなどに多く含まれる乳酸菌やビフィズス菌と同じ、善玉菌の仲間です。
酪酸菌は、大腸を動かすエネルギー源となる“酪酸”をつくりだし、大腸の正常な働きをサポートしています。このことは以前から知られていましたが、近年の研究により、免疫系や神経系、内分泌系などの全身の健康にもいい影響を与えることが明らかになりました。
“酪酸菌”を食事から直接摂るのは難しいので、腸内細菌のエサとなる食物繊維を積極的に摂り、腸内にある“酪酸菌”を育てることが大切です。特に意識して摂りたいのが、先ほど出た“発酵性食物繊維”。バランスの良い食事を続けるのはなかなか大変なので、“酪酸菌”が配合された整腸剤を活用するのも手です」(内藤先生)
腸活Point
酪酸菌は“長寿菌”とも呼ばれているそう。“健康寿命”が重要視されるいま、“酪酸菌”の注目度はますます高まりそう。
食生活や睡眠など日々の心がけで腸を整えると、お肌ツルツル、ココロ健やかといいことづくめ! そんな話題の「腸活」できれいと健やかさをパワーアップするコツをスペシャリストから学ぶ「美腸活の処方箋」がスタート。第1回目は日々アップデートする腸活の最新事情の中から、2024年下半期のトレンドを腸内細菌研究で名高い、内藤裕二先生に伺った。今知っておきたい注目のトレンド5つを発表!
プチ不調の改善へとつながったり、ココロもハッピーに
美肌、ダイエット、免疫…。 腸は、ココロとカラダを整えることに大きく影響すると少し前から注目されている器官。すでに腸を整える健康習慣「腸活」を実践している人が増えている一方、なぜよいのか正しい知識やコツは、実はあいまいという人も。
「腸を整えると便秘や下痢などお腹のトラブルをはじめ、肌荒れやむくみ、生理痛などのプチ不調を改善できるというのは、昔からよく知られていることですよね。ですがこの数年で腸内細菌に関する研究が進み、脳や肝臓などさまざまな器官にもいい影響があることが分かってきました。
また、腸内環境が整うと、体の代謝を促すという研究結果も出ています。さらには、睡眠の質を高めたり、免疫力の改善、メンタルが整ったりと一見、腸と直接関係のなさそうなメリットも多岐にわたり解明されています」(内藤先生)。
まずは気になる腸活の最新トレンドを知って、毎日お腹やお通じのチェックをしたり、生活習慣を見直したりと、日々の生活に取り入れていきましょう!
<腸活のいいこと>
・お腹のトラブル改善
・免疫力アップ
・体の代謝を促しヤセ体質に
・睡眠の質を高める
PROFILE
内藤裕二先生
京都府立医科大学大学院医学研究科 生体免疫栄養学講座教授。腸内細菌研究の第一人者であり、酪酸産生菌と健康長寿の関係などの研究をはじめ、腸内細菌を長年研究し続けている。著書に「100年腸〜最強食物繊維があらゆる不調を改善!」(内外出版社)ほか。
◆2024年下半期!知っておきたい5つの腸活トレンド
TREND1_新しい概念「ガットフレイル」が誕生
「腸に関する研究が進む中、2023年に“ガットフレイル”という新しい概念が生まれました。“ガット”は胃腸や消化管、“フレイル”は虚弱という意味があり、つまりガットフレイルは“胃腸の働きが悪い”状態のことを指します。
健康な人の中にも、胃腸の不快な症状によって、気付かないうちにプライベートや仕事のパフォーマンスが落ちてしまっている人が実はたくさんいます。大事なプレゼンの前に緊張から腹痛になった、不安なことがあると食欲が落ちる、というような経験のある人も少なくないのではないでしょうか?
“ガットフレイル”が浸透することで、このような自分でも見落としやすい症状に気付き、対策ができるようになります。近い将来、『最近仕事の調子が上がらないけど、ガットフレイルかな』というような会話が日常的にされる日が来るかもしれません」(内藤先生)
腸活Point
今まで気にしていなかった不調にも目がいくようになり、より健やかな毎日を送れる“ガットフレイル”は2024年下半期のマストワード。
TREND2_「発酵性食物繊維」で腸内環境を整えよう
「今まで食物繊維は、水に溶ける(水溶性食物繊維)か、溶けない(不溶性食物繊維)かという特性によって大きく分類されてきました。近年は、腸内でどれくらい発酵するかという“発酵性レベル”で分類するべきだという考えが広まってきています。
その流れの中で注目を浴びているのが、“発酵性食物繊維”です。“発酵性食物繊維”は、体に良い働きをする善玉菌のエサとなり、腸内の善玉菌を増やす働きがあります。善玉菌が増えると、腸の動きを活発化させるとともに、脂肪の蓄積を抑える“短鎖脂肪酸”も多く生み出されます。その結果、“短鎖脂肪酸”が腸内に定着しやくなり、腸内環境が整っていくというわけです。
“発酵性食物繊維”にもさまざまな種類がありますが、腸活で特におすすめなのは、高発酵性かつ植物性のもの。例えば根菜類、穀類、緑黄色野菜、大豆、果物、海藻などから多く摂ることができます。ほかにも、最近注目されている“グアーガム分解物”という高発酵の水溶性食物繊維もおすすめです」(内藤先生)
腸活Point
腸を健やかにしたいなら、発酵性食物繊維が多く含まれる、ゴボウやサツマイモ、オーツ麦や玄米、キウイやミカンなどを積極的に摂ろう。
TREND3_ヤセ菌「ブラウティア菌」&肥満菌「Fusimonas intestini(FI)」の発見
「腸内細菌は民族によってその特徴が異なりますが、2020年、日本人特有のヤセ菌“ブラウティア菌”が発見されました。“ブラウティア菌”は脂肪をつきにくくし、肥満を予防・改善する働きがあります。腸内細菌中1%以上持っている日本人は約9割。ほとんどの日本人が保有する一方で、占有率が6 % 以上でなければその効果が発揮されないこともわかっています。ただ、自分がどのくらい持っているかの保有率の測定診断は開発段階なので、続報に期待です。
また2023年には、『Fusimonas intestini(FI)』という細菌が、肥満や高血糖を悪化させるという研究結果が発表されました。いわゆる“肥満菌”といわれるもののひとつですね。“FI”は、高脂質な食事に反応して、健康に有害な“脂肪酸”をつくります。
“ブラウティア菌”を増やす、また“FI”を減らす方法で今言えるのは、バランスの良い食事を心がけること。これからもっと研究が進めば、さらなる良法が見つかるかもしれません」(内藤先生)
腸活Point
“ブラウティア菌”も“FI”もまだまだ研究の途中。今後もっと詳しいことが解明されたら、ダイエットの強い味方になってくれそうです。
TREND4_「脳腸相関」で、腸とメンタルを健やかに
「“腸は第2の脳”ともいわれており、腸と脳は自律神経やホルモンを介して非常に密接な関係にあります。
例えば、脳がストレスを感じる→腸の調子が悪くなる→不腸が精神的ストレスを招く。反対に、脳がリラックスする→腸の調子が良くなる→お腹の調子がいいと快適に過ごせる、というように互いが影響を与え合っているのです。
このように脳と腸が互いに影響を及ぼし合う関係を“脳腸相関”といい、この数年メディアでも話題になることが増えてきました。
大切なのは、脳腸相関の仕組みを意識して好循環をつくっていくこと。脳と腸どちらかが不調なときは、もうひとつを整えることで改善が期待できます」(内藤先生)
腸活Point
仕事や人間関係のストレスなど簡単に取りのぞけないのなら、腸を整えて脳をリラックスさせてみよう。
TREND5_「酪酸菌」を育てて免疫ケア
「世界中の腸内細菌の研究者たちが注目している菌に、“酪酸菌(酪酸生産菌)”があります。“酪酸菌”は、ヨーグルトなどに多く含まれる乳酸菌やビフィズス菌と同じ、善玉菌の仲間です。
酪酸菌は、大腸を動かすエネルギー源となる“酪酸”をつくりだし、大腸の正常な働きをサポートしています。このことは以前から知られていましたが、近年の研究により、免疫系や神経系、内分泌系などの全身の健康にもいい影響を与えることが明らかになりました。
“酪酸菌”を食事から直接摂るのは難しいので、腸内細菌のエサとなる食物繊維を積極的に摂り、腸内にある“酪酸菌”を育てることが大切です。特に意識して摂りたいのが、先ほど出た“発酵性食物繊維”。バランスの良い食事を続けるのはなかなか大変なので、“酪酸菌”が配合された整腸剤を活用するのも手です」(内藤先生)
腸活Point
酪酸菌は“長寿菌”とも呼ばれているそう。“健康寿命”が重要視されるいま、“酪酸菌”の注目度はますます高まりそう。