原発事故被災地の福島の高校生 足尾で公害の原点学ぶ
東京電力福島第一原発事故を、公害と同じような環境問題として考えるために、福島県双葉郡の中高一貫校の高校生が7月25日、栃木県日光市足尾町を訪れ鉱毒事件について学びました。
足尾町を視察したのは、福島県双葉郡にある、県立ふたば未来学園高校の社会起業部の1、2年生6人です。ふたば未来学園中学・高校は、東京電力福島第一原発の事故で休校となった、双葉郡にあった5つの県立高校の代わりに2015年に開校した県立の中高一貫校です。独自の「未来創造型教育」を掲げていて、双葉郡のある福島県浜通りの地域活性化や、復興に向けた実践活動を行っています。
社会起業部は学校の文化部のひとつで、原発事故を「核の問題」や「迷惑施設」「環境問題としての公害」などと対比して考えようと、これまでに熊本県の水俣市や沖縄県名護市の辺野古などを訪れ学習しています。今回は公害の原点といわれる、足尾鉱毒事件を学ぼうと現地を訪れました。
研修最初に、足尾銅山の近代化の一環として渡良瀬川に架けられた古河橋と、橋のたもとに建つ当時の精錬所を見学しました。生徒たちは橋から川面をのぞき込み、「川が青いのは銅のせいかな」などと話し合っていました。
足尾環境学習センターでは、職員から足尾銅山の歴史や鉱毒事件、それに亜硫酸ガスによる松木渓谷の煙害について学びました。「足尾は煙害などで70年間で環境を破壊し、今は100年をかけて自然を再生している途中」と説明を受け、「銅山の坑道は今はどうなっていますか」、「現在の水の処理はどうしていますか」などと質問をして、熱心に公害と環境について学んでいました。
生徒たちは足尾銅山観光で、当時の銅山の採掘場を体験しました。