これも、「高校野球の経験を人生に活かしてほしい」という彼の想いと通じる。高校野球に集中して極限まで打ち込むことにより、社会に出た後も活かせることが大いに出てくるのだ。逆に、何も打ち込んでこなかった場合は、何をやっても成せないという考えもある。部活動とはいえ、高校野球というスポーツをやっている以上、勝ち負けはついてくる。さらに、レギュラーに入るか入らないかの競争の勝ち負けもある。

ただ、これも大局観を持って人生を眺めれば、一つの瞬間にしかすぎないのだ。高校時代がピークの人もいれば、社会に出た後にピークが来る人もいる。長い人生において、自分を高められる人間になることが、馬淵氏にとっての「勝利へのこだわり」かもしれない。

<TEXT/ゴジキ>

【ゴジキ】
野球評論家・著作家。これまでに 『巨人軍解体新書』(光文社新書)・『アンチデータベースボール』(カンゼン)・『戦略で読む高校野球』(集英社新書)などを出版。「ゴジキの巨人軍解体新書」や「データで読む高校野球 2022」、「ゴジキの新・野球論」を過去に連載。週刊プレイボーイやスポーツ報知、女性セブンなどメディアの取材も多数。Yahoo!ニュース公式コメンテーターにも選出。日刊SPA!にて寄稿に携わる。Twitter:@godziki_55