Adobeの画像編集ソフト「Photoshop」の対応OSはWindowsとmacOSのみであり、Linux環境には対応していません。Linux上でPhotoshop 2024を実行する方法がネットフォーラムの KC Forumsに投稿されていたので、実際にできるのか試してみました。

How to run Adobe Photoshop 2024 on Wine (Linux) - KC Forums

https://forum.mattkc.com/viewtopic.php?t=336

まず、LinuxでWindowsの実行ファイルを動作させるためのソフトウェア「Wine」をインストールします。Wineのインストールページにアクセスし、ディストリビューションを選択。今回はUbuntu 22.04で実行するので「Ubuntu」をクリックしました。



ページに記載されている通りにコマンドを実行していきます。途中でバージョンごとにコードが異なる場所がある点に注意してください。



ページ下部へ進み、残りのコマンドを入力。今回はStableバージョンをインストールするので、「Stable branch」のコマンドを実行しました。



ホームディレクトリに「.wine」ディレクトリを作成し、「winecfg」でWineの設定を行います。

mkdir .wine
cd .wine
winecfg

下記のGUIが表示されたら「Libraries」タブを開き、「New override for library」欄に「netapi32」と入力して「Add」をクリックし、「OK」をクリック。



Linux上でPhotoshopを実行する時、Adobe CCによる認証が実行できないため、Adobe-GenPを使用します。Photoshopをインストール済みのPCでAdobe-GenPのリリースページへアクセスし、「Adobe-GenP-[バージョン番号].zip」をクリック。



ダウンロードしたzipファイルをクリックし、「すべて展開」をクリックしてフォルダに展開します。



展開されたフォルダの「AdobeGenP-[バージョン番号].exe」を実行。



インストールされているAdobe製品を自動で検知する「Search」をクリックします。



Photoshop関連のファイル全てにチェックを入れて「Patch」をクリック。



続いてPhotoshopのファイルをLinuxに転送します。「C:\Program Files\Adobe」にある「Adobe Photoshop 2024」を「~/.wine/drive_c/Program Files/Adobe」内に転送すればOK。



こんな感じになるはず。



同様に、「C:\Program Files(x86)\Common Files」内の「Adobe」フォルダを「~/.wine/drive_c/Program Files(x86)/Common Files」に転送します。



また、「C:\Windows\System32」を開き、右上の検索欄に「coremessaging」と入力すると表示される「CoreMessaging.dll」を「~/.wine/drive_c/Program Files/Adobe/Adobe Photoshop 2024」に転送。



同様の手順で、下記のdllファイルも「~/.wine/drive_c/Program Files/Adobe/Adobe Photoshop 2024」に転送します。

・netapi32.dll

・msvcp110_win.dll

・dsreg.dll

・srvcli.dll

・wkscli.dll

下記のコマンドを入力してPhotoshopを起動します。

cd "~/.wine/drive_c/Program Files/Adobe/Adobe Photoshop 2024"
wine Photoshop.exe

初回のみ、必要なパッケージのインストールを行うため下記のダイアログが出たら「Install」をクリック。



Photoshopの起動に成功しました。しかし日本語に対応できておらず、多くの部分で文字化けが発生してしまいました。