4日に行なわれたプレミアリーグのフルアム対エバートンの一戦で、ファンが選手を襲撃する事件が起きた。被害を受けたのは、フルアムのMFクラウス・イェンセン。66分に決勝点を奪ったこのデンマーク代表は、得点直後にエバートンのファンが陣取るスタンド付近で、何者かが投げ込んだコインを頭部に受けたのだ。幸い大きなケガにはつながらなかったが、フルアムのクリス・コールマン監督は、この行為を「卑劣」として激怒した。

「非常に残念だ。昔に比べて、ファンのマナーは格段に向上したが、今回の行為は決して許されるべきではない。コインを投げ込むなど、卑怯者のすることだ。犯人を見つけ出し、刑務所に送るか、今後一切スタジアムに近づかせない処分を与えるべきだ。近いうちに犯人が特定されるものと期待している」

 一方、エバートンのデイビッド・モイーズ監督も、コールマンの怒りには同調する。しかしこのスコットランド人監督は、コインを投げ込んだ犯人が、必ずしもエバートンのサポーターであったとは限らないと主張している。

「もちろん許されるべき行為ではない。ただ、ゴール裏のスタンドには、両チームのサポーターがいたはずだ。厳しい処罰を与えるべきだとは思うが、その犯人がフルアム側のサポーターである可能性も考慮に入れるべきだろう。別の選手を狙って、コインが投げ込まれた可能性だってあるのだから」

 ファンの許されざる行為に対し、責任逃れとも取れるモイーズの発言は、コールマンの反発を招きかねない。両クラブ間の無用な遺恨を避けるためにも、一刻も早い犯人の特定が必要とされるだろう。