「恥を知れ、恥を!」という発言は、この議員定数半減案提出に際して、居眠りする市議、質問もせずにただいるだけの市議、説明責任から逃げる市議、そしてそれを容認する議会を批判するために発したものです。実は、3日ほど前からこのセリフを練っていました(笑)。

 私は銀行員時代に年間50回の講演を10年以上続けました。つまらない話をしたら居眠りしてしまう人も出るし、銀行の信頼も損なう。だから、毎回ICレコーダーで録音し、どう話せば心に響くかを研究し続けました。そのなかには、印象的なフレーズをいかに盛り込むか、というポイントもありました。これが「恥を知れ」発言に繋がったのです。

 市長と議会の対立が深刻化して、最も世間の注目が集まる場で、効果的なセリフで印象づけることまで計算していました。「恥ずかしいと思いませんか?」では弱い。「思う」「でしょう」などの弱い語尾の発言を繰り返せば、自信がなさそうに見えてしまうもの。これはビジネスシーンでも当てはまります。責任と裏付けを持って言い切る。そうして言葉の重みが生まれます。

<喧華作法>
印象的なセリフを効果的なタイミングで投入して議論をリードせよ

構成/吉岡 俊 撮影/初沢亜利

―[ワケあって炎上中]―

石丸伸二
1982年8月、安芸高田市生まれ。三菱UFJ銀行を経て’20年に安芸高田市長に。市議会との衝突が話題を呼び、Xフォロワー数は40万人超、市公式YouTube登録者数は全国トップの25万人。趣味はトライアスロン