ソニーのスマートフォン「Xperia」シリーズの最新鋭機「Xperia 1 VI」と「Xperia 10 VI」はどれぐらいのパワーを持つ端末なのか、いろいろなベンチマークを走らせてみたり、バッテリー持ちがどれぐらいなのか実測してみたりしました。

Xperia 1 VI | Xperia(エクスペリア) | ソニー

https://www.sony.jp/xperia/xperia/xperia1m6/

Xperia 10 VI | Xperia(エクスペリア) | ソニー

https://www.sony.jp/xperia/xperia/xperia10m6/

まずはCPU情報確認アプリ「CPU-Z」で搭載CPUの情報を確認してみました。

Xperia 1 VI(以下、「1 VI」)は「Snapdragon 8 Gen 3 Mobile Platform」搭載。CPU-Zでは型番の「SM8650」という表記と、8コア構成であることが確認できます。



Xperia 10 VI(以下、「10 VI」)は「Snapdragon 6 Gen 1 Mobile Platform」搭載。CPU-Zでは型番の「SM6450」表記と、ARM Cortex-A78×4&ARM Cortex-A55×4の8コア構成であることが確認できます。



定番ベンチマークアプリ「Geekbench 6」を実行してみました。Geekbench 6による1 VIのデバイス情報はこんな感じ。



また、10 VIのデバイス情報はこんな感じです。



ベンチマーク結果を以下にまとめました。1 VIはフラッグシップ機、10 VIはミドルレンジ機で、搭載SoCが異なるためスコアにも大きな違いが出ています。

 1 VI10 VICPUシングルコア2135858├整数演算2201853└浮動小数点演算2018868CPUマルチコア66182795├整数演算64942468└浮動小数点演算68562986GPU(OpenCL)140661317GPU(Vulkan)161791663

グラフィックス関連ベンチマークの定番アプリ「3DMark」では、高品質グラフィックスを用いる重量級のベンチマークである「Wild Life」を20周する「Wild Life Stress Test」を実行しました。測定環境はほぼ25度で安定した室内で、無風状態でした。



1 VIの最高スコアは「13703」、最低スコアは「8330」で、安定度は60.8%でした。



最高スコアだった1周目と最低スコアの17周目を比較すると、1分間のベンチマークのうち0秒〜20秒および40秒〜60秒のところで差が出ているのがわかります。また、ベンチマークによるバッテリーの変化は残量89%から80%への低下で、フレームレートは最小19FPSから最大118FPSまで変動していました。



熱変化をグラフ化したもの。ベンチマーク開始時は40度、終了時は44度で、大きな変動はなかったといえます。



10 VIの場合、最高スコアが「2412」、最低スコアが「2404」で、安定度は99.7%。スコアのばらつきはほとんどありませんでした。



最高スコアだった10周目と最低スコアだった19周目の比較。誤差といっていいレベルのずれ。



ベンチマークで、バッテリーは89%から85%に減少。フレームレートの変動範囲は9FPSから18FPSでした。



熱は最低33度、最高36度。高品質グラフィックを動かすのには適していないものの、できる範囲内で無理することなく安定動作していたといえそうです。



モバイル端末のベンチマークの定番である「AnTuTu Benchmark」も実行してみました。1 VIはトータルスコアが「1441594」で、ユーザーの50%を上回る結果に。



一方、10 VIはトータルスコア「541306」。グラフィックテストは標準のものではなく、負荷の軽いライト版が自動的に選択されました。



負荷がかかったときに端末がどれぐらい熱くなるのか、3DMark実行中の端末温度を「FLIR ONE Pro」で測定してみました。1 VIの画面側はだいたい37度。



裏側は「Style Cover with Stand」付きの状態で31度ほど。



ケースを外すと42度ほどになっていました。



念のため、非接触赤外線温度計でも測定してみると、画面側は37.2度で、FLIRの測定結果とほぼ同じ。



ケースなしの背面は40.6度で、FLIRの測定結果よりは少し低めでした。いずれにしても、手で直接触れると「端末がかなり熱を持っている」とわかるぐらいの状態になっているので、カバーを付けていたほうが無難です。



10 VIも同様の測定を行ってみました。FLIR ONE Proで測定した画面側の温度は35.8度。



カバーを付けた状態の背面の温度は、カメラ付近が高くて33.8度でした。この位置はカバーがあってもなくても露出している部分です。



しかし、カバーを外すと最高温度はカメラよりちょっと下の辺りで、29.5度となりました。



非接触赤外線温度計での測定は、画面側が31度。



カバーなしの背面側は33度でした。ベンチマークのタイミングによって、多少の上下があるかもしれませんが、35度まで上がることはありません。



バッテリーは両端末とも容量5000mAh。1 VIは「1回のフル充電で2日持ち、1 V比約2倍相当の36時間以上の連続動画再生」、10 VIは「充電なしでも2日持ち、長時間の外出時も安心」と、それぞれ駆動時間の長さをウリの1つにしています。

しかし、ソニー公式のテスト内容は「インターネット閲覧・動画閲覧・ゲーム・その他の機能を1日あたり360分利用(1080分の待機時間)することを想定したテスト」とのことだったので、ゲームをずっと起動し続けた場合にはどうなのか、「原神」を例として、実測してみました。

測定時、端末の画面輝度は最大、音量は小さめでイヤホン使用。室温はほぼ25度を維持するようにしていて、ゲーム設定は基本的にインストールした状態でいじりませんでした。このため、1 VIは画質「高」、10 IVは画質「低」で、グラフィックスの設定に差があります。なお、写真のように、西風騎士団の屋上から清泉町の方向を見て、城内の風車が動いたり遠景で滝やドラゴンスパインが見えたりする状態でアンバーを放置しました。



バッテリー駆動の計測は、初期設定のいたわり充電が90%までしか充電しない設定になっているので、90%からスタートしました。また、残り20%になるとバッテリー節約機能が自動でオンになる設定をそのままにして行いました。

結果は以下の通り。1 VIは333分(5時間33分)、10 VIは380分(6時間20分)となりました。位置情報ゲームの場合はもう少し早くバッテリーが尽きる可能性があります。一方、軽量なゲームなどであればもっと長持ちするはずです。



また、27Wの急速充電に対応したアダプターを用いて、バッテリー残量5%で電源オフ状態の端末に充電した場合、バッテリー残量が90%に回復するまでどれぐらいかかるかという計測も行いました。結果は以下の通りで、1 VIは60分(1時間)、10 VIは76分(1時間11分)でした。



このあと、1 VIと10 VIを持ち出して、いろいろなものをざざっと撮影してきたので、その実作例を公開します。

・つづき

「Xperia 1 VI」&「Xperia 10 VI」のカメラで写真と動画をあちこちで撮りまくってきた作例いろいろ - GIGAZINE