”就活うつ”になってしまった21歳の息子…。親としてサポートしてあげるべき?
就活うつの原因
就職活動によるストレスを原因としたうつ病を「就活うつ」といいます。厚生労働省が公表しているうつ病の特徴は以下の通りです。
●悲しく憂うつな気分が一日中続く
●これまで好きだったことに興味がわかない、何をしても楽しくない
●食欲が減る、あるいは増す
●眠れない、あるいは寝すぎる
●イライラする、怒りっぽくなる
●疲れやすく、何もやる気になれない
など
就活うつは、なかなか内定がもらえない、周囲からの過度な期待やプレッシャー、ほかの学生と比べて落ち込んでしまうなど、就職活動に関するストレスが原因となり発症してしまうのです。就活うつは誰でも発症する可能性があるので注意が必要です。
就活うつになってしまった場合の対処法
就活うつになってしまったら、まずは十分な休養をとることが大切です。うつ病は早めの対策が大切といわれており、症状が軽いうちに治療を受けることで早い回復が期待できます。
病院を受診する
普段と様子が違うなどの異変を感じたら、まずは病院を受診し適切な治療を受けるようにしましょう。うつ病は一般的に完治するまでに時間のかかる病気といわれています。治療期間には個人差がありますが、医師の診察を受けてから1年以内に治る方も少なくありません。
しかし、うつ病の再発率は低くないようで、再発を繰り返すほどさらに再発率は高くなるといわれています。あせらずにゆっくり時間をかけて、確実に治療を行っていくことが大切です。
就職活動からいったん離れてみる
就職活動をいったんストップするのも、就活うつの対策として有効な方法の一つです。ストレスの原因から遠ざかることで症状の改善が期待できます。体調が万全でないまま就職活動を続けてもうまくいかない可能性が高く、さらに症状を悪化させるおそれがあります。
うつ状態になると意欲や判断力も低下するため、人生の大きな決断が必要な就職活動に適した状態とはいえません。就職活動がうまくいかないまま中止することはつらいかもしれませんが、心と身体の調子を整えることに専念することで、結果的に効率よく就職活動を行えるでしょう。
就活うつのわが子……。親としてできること
大切なわが子の苦しむ姿を見るのはつらいことでしょう。就活うつの治療には時間がかかるため、卒業までに完治が難しい場合は、あせらず当面の間の生活費を親が負担したうえで、治療に専念することを検討してみてもいいでしょう。
総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、単身世帯のひと月にかかる消費支出は16万7620円で、おもな内訳は次の通りです。
●食料:4万6391円
●住居:2万3815円
●光熱・水道:1万3045円
●家具・家事用品:5955円
●被服及び履物:4712円
●保健医療:7426円
●交通・通信:2万1796円
●教養娯楽:1万9425円
●その他の消費支出:2万5051円
ひと月にかかる生活費は状況に応じて異なるため、目安として参考にしてください。
就活うつはあせらず時間をかけて治療することが大切
就活うつになりやすい方の特徴として、完璧主義で真面目、責任感が強い、挫折経験が少ないなどがあげられます。おもな症状は通常のうつ病と同様、食欲不振、不眠・過眠、気分の落ち込み、強い疲労感などです。
もし子どもが就活うつになってしまったら、早めに病院を受診し治療を受けるようにしましょう。治療には時間がかかるうえに再発率が高い病気であるため、可能であれば就職活動はいったん中止して治療に専念することが大切です。
出典
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要(15ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー