圧倒的な「嫌われママタレ」1位となった広末涼子

「ベストマザー賞」受賞者の “失墜” が相次いだ近年。それほど「ママタレント」の地位を保つのは難しい。最新ランキングでも番狂わせが――。

 ある民放テレビ局のプロデューサーが、こうぼやいた。

「ドラマはもちろん、バラエティでも情報番組でも、発言力や視聴者への影響力が大きいママタレは欠かせない存在なんですが……」

 彼女たちが颯爽と活躍し、または家事や育児に奮闘するエピソードには、多くの共感が寄せられるためだ。

「しかし一方で、主婦層の視聴者は、ママタレが反感を買うような言動をすれば、とたんに拒否反応を示します。SNSでの炎上を恐れ、スポンサーは、ママタレの起用に精査を求めています」(同前)

 本誌は、大手広告代理店が炎上リスク回避のために実施した極秘アンケートを入手した。

 テレビ視聴時間が長く、購買意欲の高いF1層(20〜34歳の女性)300人、F2層(35〜49歳の女性)300人の計600人を対象に、「嫌いなママタレ」を挙げてもらったものだ(一人1票=1Pで集計)。

 1位になったのは、2023年にキャンドル・ジュン氏と離婚し、そのきっかけとなった不倫相手である鳥羽周作氏との交際を続ける広末涼子だ。

《2022年に『ベストマザー賞』を受賞していたことが驚き》(回答コメントより、以下同)など、不貞についてのアンチ票が集中した。

「ここまで主婦層から嫌われていると、現場復帰は厳しい。特にCMではノーチャンスです」(大手広告代理店キャスティング担当者、以下「C」)

 2位の板野友美に対しては、野球選手の妻としての自覚に欠ける行動に疑問符がついた。

《WBCのときに、自分のブランドの洋服をアピールしていて、鼻につきました》

「女性の野球ファンには、本業が何なのかわからないような言動は、マイナスに受け止められています」(C)

 3位の紗栄子は、ダルビッシュ有との間に生まれた長男の写真を、SNSに投稿。PRも多く《本人が『ママ層にウケている』と自覚していることがあからさま》との声が。

「一部の支持はあるようですが、マスとしては苦しいです。以降のランキングを見ると、離婚などのトラブル処理に失敗し、女性から “憧れの存在” として見られなくなったママタレが、『嫌われ』の上位に来ているようです」(C)

 一方、このときに同時におこなわれた別の質問では、ある傾向が顕著になった。

 質問は、「『ママタレ』と聞いてイメージする芸能人」を3人、順位をつけて理由とともに挙げてもらったものだ(1位=3P、2位=2P、3位=1Pで集計)。

「あえて『好きな』『嫌いな』と質問文に書かず、タレントへの純粋な印象を浮かび上がらせる狙いでした。結果的に、“愛される” ママタレの特徴が顕著に表われました」(C)

 1位の杏は、「嫌われ」ランキング上位のママタレと同様、離婚を経験しているが……。

《移住して子育てして仕事もして、憧れでしかない》

《杏さんを見ていると『母は強し』という言葉がしっくりくる》

「同じく海外でのお子さんの様子を投稿している紗栄子さんとの違いは、子育ての情報公開の仕方がさりげないこと。フランスとの二拠点生活を送り、仕事に対する距離感も絶妙で、第一三共ヘルスケアと新規でCM契約し、主演映画も公開されています」(C)

 2位の北川景子には、《結婚生活や、育児について語りすぎないところが好感を持てる》とのコメントがあった。

「北川さんは、私生活を切り売りする風潮に背を向け、仕事に対してもストイックです。今年、第2子を出産してからも、風邪薬『コルゲンコーワ』やオーガニックタオル『テネリータ』とも新規契約。女性人気は不動です」(C)

 一方、《セレブ感よりも、一般の視聴者の生活目線に近い存在》と、歯に衣着せぬ人生相談などで注目を集める藤本美貴が3位になった。

「今年に入ってテレビ番組の出演本数も圧倒的に伸ばしてきています」(C)と、見事に再ブレイクを果たしている。

 4位の若槻千夏も毒舌キャラで、仕事を絶やさない。

《あれくらいのキャラが、視聴者としては『代弁してくれている』感じがあります》

「若槻さんは、バラエティで積極的に “汚れ役” を買って出てくれます。狙いすまして “地雷” を踏むタイミングは、いつも絶妙です」(民放プロデューサー、以下「P」)

 5位のギャル曽根については、「“私が、私が” ではなく共演者たちを立てられる気遣いの人」(P)と業界内の評判がとにかくいい。そのことが画面から伝わるのか、アンケートでは《調理師免許を持ち、3児のママとして3食手作りしていると知り、見直した》との声が寄せられた。

 ランキングの前半を見て、キャスティング担当者が語る。

「化粧品のCMでは、北川景子さんに代表されるノーブルなイメージの女優がやはり強い。一方で最近CMの契約数を伸ばしているのが、藤本美貴さんです。NTTドコモやP&GのCMで夫の庄司智春さんと共演するほか、ユーキャンのCMでは資格に挑み、主婦層から『私にもできるかも』と共感を集めています」

 6位の石原さとみは、2022年に出産を経験。北川のように「憧れ」を持たれながら、藤本のように「共感」を覚えさせることができる存在に。

《『すき家』のCMでおいしそうに食べているのが好き》

「すき家のCMへは、2020年に結婚を発表する直前から出演し、CM好感度ランキングでは30、40代の主婦から高評価です。本人も、女性への発信の仕方は気にしているのかな、と感じます」(C)

 7位に入った仲里依紗は、《奇抜なファッションもイケてるママです。私にはできないけど》という声があるように、「憧れ」とは違ったステージで活躍するママタレだ。

「若いころは、失礼ながら『ちょっと難しいコ』でしたが(苦笑)、最近はバラエティにも出てくれるようになりましたよね。鬼嫁キャラが定着しているのも、夫婦仲が良好だからこそ。F1層からの支持が強いです」(P)

 ここで8位に登場するのが、ママタレの草分けである辻希美。かつては “炎上クイーン” といわれたが、今の若い母親からは、子育ての先輩としてリスペクトされている。

《私生活を前面に出しているけど、私は不快に思わない》

「ブログで公開している4人のお子さんとの私生活は、ちょっと “浮世離れ” していて、今は嫌味にならないんです。今年4月からは『ぽかぽか』(フジテレビ系)の曜日レギュラーになりました」(C)

 9位の菅野美穂は化粧品のCM出演が多く、北川と同じ “ノーブル系” のようだが《テレビで臆さず、育児の大変さを話していた》と、「親近感」も集めている。

「夫の堺雅人さんとともに、視聴者の好感度は抜群です。クライアントからも信頼されています」(C)

 かつては “ぶりっ子キャラ” で「女が嫌いな女」ランキングの上位に入ったこともある小倉優子が10位に。

《最初こそ『こりん星』とかわけわかんなかったけど、大学受験した姿に感動》

《2回も離婚して、相当苦労しているはずだけど、頑張ってる》

「タレントとして迷走し、私生活の浮き沈みを経験してから、起死回生のように受験企画がハマった。V字回復した今、過去も自虐ネタにできるようになっています」(P)

 このアンケート結果を、メーカーの広告担当者に見てもらった。

「かつてはネガティブだった離婚経験ですが、小倉優子さんは、共感を集めていましたね。今後のキャスティングに、とても参考になりました。ただ一方で、たったひと言のSNSの投稿で支持を失ってしまう例もあるようです。ママタレントというのは、本人も起用する側も、いちばん難しい立ち位置にありますね」

 ママタレの誰もが、この先も “高みの見物” とはいかないのだ。

写真・本誌写真部