日本では6割の夫婦が陥るといわれるセックスレス。今回はレスに悩み続けて10年超え。「夫がいい人過ぎるから裏切れないけれど、このまま枯れていくのかと思うと悲しい」と吐露する主婦の真奈さん(仮名・41歳)のお話です。

産後レスに悩む妻に届いた元彼からのメール

1人目の出産直後から夫と完全レスになり、悩んでいた30代の真奈さん。

「私は触れ合いたい思いがあったのですが、夫は完全に草食。すごく真面目で堅い性格で、結婚したら変わるかと思っていたのですが全然そんなこともなく。子どもも生まれてから文句を言ってもしょうがないってわかっているんですけれど、思い描いていた夫婦生活とかけ離れすぎて、精神的に落ちていきました」

夫はそんな真奈さんの様子に気がつくこともなく…。話し合いできないまま2年が過ぎたある日、真奈さんのもとへ元彼からメールがきたのです。

「こっちの道に行ったらラクだろうな…」

真奈さんの誕生日のタイミングに、「お誕生日おめでとう! 元気にしている?」という当たり障りない内容のメールでした。が、相手はすごく軽い人。返事をすれば、きっと会えるし、そういう関係に戻れるという甘い予感もあったといいます。

「もう、こんなにレスで悩むなら、元彼のほうへ行ってしまったらラクだろうなって思いました。けれど、幼子を抱えた状態で浮気する勇気もなく、結局怖じ気づいたんです」と真奈さん。

レスについて本を読んだり、ネットで検索したりしたものの、ずっと夫との話し合いを避けてきた真奈さん。このとき、自分の本音を夫へ話す決意ができたといいます。

夫が好きだからこそ、全部話してみようと思えた

「私は子どもを産んでからレスになってさみしかったという気持ちを全部話しました。『満たされてない。どうしたらいいのかわからない。そういう相手を外につくってもいいの?』って。元彼から連絡がきたことも全部です」

真奈さんからの告白を受けて、夫はショックを受けながらも「そういうことはして欲しくない。もう少し積極的になるかな…」と話し、夫は薬やサプリを飲んで、このときは一時的にレスが解決に至ったそう。ところが、ほどなくして真奈さんの2人目妊娠が判明しました。

同じ場面、同じ会話…。レスが何度も繰り返される

「妊娠、出産した直後はホルモンの関係で守りに入るからいいんですよ」と明るく話す真奈さん。1人目の産後と同じように、2人目の産後もまた体が落ち着くとレスに悩むことになってしまいました。

「1人目の産後と同じように、夫にまた薬を飲んでもらったり、お肉中心の生活にシフトしたりして、レスが解消すると妊娠…。こんな感じで4人の子どもが誕生して、今は産後だから私の方が落ち着いているフェーズなんですけれど、また体が戻ったら同じことでイライラする未来が見えているので、それですごく悩んでいます。もう変われないですよ、どうしたらいいんだろう…」

ホルモンに振り回されて、イライラしたり、攻撃的な発言をしてしまうことに自己嫌悪に陥りそうだともいいます。

利害関係のない人たちから、レスの話をききたい

ホルモンバランスに揺れたり、レスの悩みについてはなかなか周囲に話しづらいといいます。

「自分の夫が草食系だとわざわざ発表したくないですし、周りにもレスで不妊治療をしてがんばっている友人が複数います。私の状況や気持ちを気軽に話せる相手がいないんです」

そんな真奈さんは今、レスで悩む人たちの記事をスマホで読むことにハマっているとか。

「私にもレスについて語れる場があればうれしいですね。仕事をしていないので、社会との繋がりも薄いし、飲み会もない。どうやって解消してますか? とかそういう話をざっくばらんにできる場面自体がないので、いろいろ実体験を聞いてみたいです」