NPU不要で「ReCall」機能をWindows・Mac・Linuxで再現するツール「OpenRecall」が登場
Microsoftは、Snapdragon X Eliteなどの高性能NPUを搭載してAIの実行に適したPC「Copilot+ PC」向けに、PC上で見たものや行ったことをすべて記録して後から検索できる機能「Recall」をリリースすると発表しました。このRecall機能を、NPUを搭載していないPCで再現するオープンソースのツール「OpenRecall」が公開されています。
https://github.com/openrecall/openrecall
Recallがどういう機能なのかは以下の記事を読むとよくわかります。
MicrosoftがWindows 11の新AI機能「Recall」を発表、PCで見たもの行ったことをすべて記録しあとから検索できるパワフルすぎるAI検索機能 - GIGAZINE
ただし、Recallを利用できるCopilot+ PCは、1秒当たり40兆回の演算が可能、すなわち40TOPs以上の性能を持つNPUを搭載していることが最小システム要件となっています。
MicrosoftがWindows搭載AI PCの最小システム要件を正式発表 - GIGAZINE
OpenRecallはその名の通り、Recallを再現するオープンソースのツールで、定期的にスナップショットを撮影し、デジタル履歴をキャプチャします。キャプチャしたスナップショットにアクセスするには、ブラウザで「http://localhost:8082」を開きます。
上部に表示されているスライドバーを動かすことで、スナップショットの記録をさかのぼることができます。
テキスト欄に検索クエリを入力。このデモでは「india elections(インドの選挙)」と検索しています。
すると、選挙についてブラウザで調べている画面などのスナップショットの一覧が表示されました。
OpenRecallはスクリーンショット内のテキストと画像をOCRで分析し、検索可能なデータベースを構築します。ローカルのAI処理のパワーを活用し、データのプライバシーとセキュリティを維持するとのこと。もちろんデータはローカルに保存され、外部に持ち出されることはありません。
OpenRecallの開発チームは、RecallやmacOS向けのツールであるRewind AIと比較して、OpenRecallには以下の利点があると主張しています。
1:透明性
OpenRecallは100%オープンソースなので、潜在的なバックドアやプライバシーを侵害する機能がないかをソースコードの監査でチェックできます。
2:クロスプラットフォーム
OpenRecallはWindows・macOS・Linuxで動作するので、好きなOS環境で自由に使用できます。
3:プライバシー重視
データはデバイス上にローカルに保存され、クラウドにアップロードされません。さらにセキュリティ強化のためにパスワードで暗号化するオプションも用意される予定とのこと。
4:ハードウェアの互換性
本家のRecallは40TOPS以上のNPUというハードウェア要件が課せられていますが、OpenRecallは幅広いハードウェアで動作するように設計されています。
OpenRecallはオープンソースで開発され、GNUアフェロ一般公衆ライセンス(AFPL)バージョン3の下で無償配布されています。