欧州CLグループリーグ第4戦が各地で行われた31日、スタートダッシュに失敗したインテルは敵地モスクワでスパルタク・モスクワと対戦、0−1アウェイ勝利を飾った。グループリーグB組はバイエルン・ミュンヘン=10(予選突破確定)、インテル=6、スポルティング・リスボン=5、スパルタク・モスクワ=1となり、残り「1」枠を争う展開となった。

厳寒の地モスクワで、誠実男クルスが値千金のゴールを決めた。開始早々の2分、相手DFストランツルの凡ミスを逃さず、FWイブラヒモビッチがエリア内に持ち込みクルスへ完璧アシストを送る。ゴール正面に走りこんだクルスが右足インサイドで丁寧に決めて勝負あり。慣れない人工芝ピッチにも、最後まで集中したインテルが敵地で貴重な勝ち点「3」獲得に成功した。

翌1日付けの現地紙も仕事人クルスをこぞって絶賛。イタリアを代表するスポーツ紙ガゼッタ・デッロ・スポルト「7=低迷アドリアーノに比べ、よりジョカトーレ(サッカー選手)らしい」、コリエレ・デッロ・スポルト「7.5=チームプレイを具現化する良い手本」ともに文句なしのMVPに選出した。アドリアーノ、レコバ、イブラヒモビッチ、クレスポと超個性派揃いのインテルFW陣の中で、黙々と結果を出し続けるクルス。試合後インテル監督マンチーニは「クルス?彼の最大の武器は誠実さだよ」と笑顔で褒め称えた。

スポルティング・リスボン(1−0アウェイ)、バイエルン・ミュンヘン(0−2ホーム)と2連敗スタートを切ったインテルだが、スパルタク・モスクワ戦2連勝により一気に2位浮上。22日に行われるホームでのスポルティング・リスボン戦勝利で決勝トーナメント進出が確定する。32歳の誠実男クルスがインテルを再び“優勝候補”に押し上げた。