「動画制作=難しい」はもう過去のもの。時短、簡単な編集ソフトFilmoraの次世代感がすごい
動画制作のハードルぐっと下がってました。
YouTubeやTikTokを通して動画にふれることが多くなったいま、こんなことを考えたことはありませんか?
「自分も動画を作ってみたいけど、なんだか難しそう」
その気持ち、と〜ってもわかります。というか僕もそう思っていました。Wondershare社の動画編集ソフト「Filmora(フィモーラ)」を使ってみるまでは…!
その使いやすさは、ギズモードの動画制作を担当している佐孝(さこう)さんも「こんなに簡単にできちゃうんですね」と驚くほど。僕も佐孝さんも、動画編集=複雑な操作に慣れるところからスタートみたいに思っていたのですが、なんか全然そんなことなかったんですよ。
今回は実際に佐孝さんにFilmoraを使ってもらい、動画制作において重視している点などをプロ目線から語ってもらいました。
普段通りの編集フローをやってみた
Filmoraの使用感を聞く前に、佐孝さんが普段の動画制作で意識している点を教えてもらいました。
佐孝:動画制作時は3つの点を意識しています。伝わりやすいこと、興味深い内容であること、ユニークであることです。たとえば演者のテンションの高さをより伝えるために、テロップやカットで補強してわかりやすくする。見る人と演者で面白いと感じる点は違うこともあるため、タッチポイントを増やしてわかりやすい動画になるよう心がけています。
なるほどなるほど。普段の動画編集はどんなフローで行なっていますか?
佐孝:主にカット、テロップや装飾、音楽、カラーグレーディング、書き出し、といった順番で編集しています。今回のFilmoraも同様の流れで操作してみました。
実際にFilmoraを操作してみた感想はいかがですか? すでにカットなどもガンガン入れてるみたいですし、もう使いこなせちゃってますね。
佐孝:UIがわかりやすいので、すぐに操作ができちゃいましたね。カットについては自分でカットするだけでなく、「自動シーン検出」を使った自動カットが便利でした。今回はショート動画を作ってみたのですが、自分でも想像しない位置にカットポイントが来るので参考になりそうです。
自動シーン検出…映像中でシーンが移り変わる箇所を自動的に検知し、カットしてくれる。1分以下の動画であれば数秒で終了し、カット後は不要部分を選択して削除することも可能。
カット編集の次は字幕、テロップですね。テキスト入力系は時間がかかるところですが、Filmoraには自動字幕起こし機能があります。最近の動画編集ソフトでは標準装備になりつつある便利機能ですが、精度はいかがです?
佐孝:正直、普段使っている編集ソフトよりも高精度かもしれません(笑)。6分ほどの動画で試してみたのですが、文字起こしにかかる時間も数十秒と短いですし、使い勝手はかなりいいですね。テキストに対する装飾はテンプレートから選ぶタイプですが、種類がとても豊富でいちから装飾していくよりスピーディにできそうです。
自動字幕起こし機能…ワンクリックで映像内の音声をテキストに書き起こし、テロップとして配置してくれる。配置されたテロップへの編集や外国語にも対応。
佐孝:フォントの色など細かいパラメーターの調整も可能ですが(作った設定はテンプレートとして保存可能)、テンプレから選ぶことで制作スピードを上げられるのがFilmoraの特性なんだなと感じました。このスタイルなら初心者にとっても使いやすいでしょうね。
お次はBGMに関する操作ですが、動画ではフリー音源を使うことが多いですよね。ところが、FilmoraにはAI音楽ジェネレーターなる便利機能が備わっています。
AI音楽ジェネレーター…商用利用可能なオリジナル音楽を生成してくれる。生成されたBGMの一部分を選択してカットしたり、再生成したりして、好みの曲調ができるまで作り込むこともできる。
佐孝:これ、よくできてますよね。ムード、テーマ、ジャンルの3つを選んで時間を指定すると、それっぽいBGMを数秒で生成してくれるんです。今回はショート動画なので1分程度の音楽が欲しいのですが、時間を指定すればその尺のBGMを作ってくれるのはいいですね。これなら長い音源を配置せずに済みます。
フリー音源は他者の動画とかぶることもありますし、かといって毎回違う音源を探してくるのも大変。これもまた時短につながる便利機能ですね。好みのサウンドを作り込んでいく面白さもありそうですし、最近話題の生成AIをこういった部分に取り込んでくるのはユニーク。
LUTや書き出しなどの難しい操作もシンプル
次の工程は、動画の色味を調整するカラーグレーディング(カラコレ)の工程ですね。
佐孝:LUT(ルックアップテーブル、色をどう調整するかを定義したプリセット)も豊富で、クリエイティブなルックも簡単に作れそうです。今回はショート動画ですが、logで撮影した本格的な動画制作にも対応できると思います。
動画は色味でかなり印象が変わりますから、ここが柔軟なのはありがたいですね。
佐孝:シャドウ・ハイライトの調整やトーンカーブ、カラーホイールなどもあるので、色に関してはかなり細かく調整できます。波形モニターはありませんがトーンカーブに波形が出るので、白飛びのチェックも問題なくできました。
色味調整のあとは書き出し(エンコード)の工程です。ここは動画ソフトの特に複雑な部分ですが…。
佐孝:ここもプリセットが豊富で、iPhoneやタブレット、YouTube向けなど、見せたいデバイスを選択するとあとは自動で設定してくれました。ビットレートやフレームレートといった専門用語を知らない人でも、高画質設定を選ぶだけでOKというのがシンプルな見せ方になっていますね。
佐孝:自動でサムネイルをピックしてくれるAIサムネイルエディター機能も便利でした。動画全体を見返さずとも印象的なシーンを提案してくれるし、自分にとって想定外のシーンを挙げてくれるのもユニークです。シーン選択後はテンプレからテキストなどを配置していくだけでサムネイルの作成ができます。サムネイル作りは時間がかかるところですし、こういったアプローチは助かります。
AIサムネイルエディター機能…サムネイルに相応しい画像を動画内から3枚提案してくれる。文字の配置や装飾といった編集も、58種類のテンプレートを活用することで手早く完結。
スマホ版のFilmoraを使えば、クラウドに共有したプロジェクトをスマホから編集できます。使い心地はどうでしたか?
佐孝:予想以上に使いやすくて驚きました。やっぱりUIがわかりやすいのか、どこを操作するとどうなるというのが直感的に理解できますね。テロップやカットの微調整もスマホでもこなせそうですし、電車の移動時間で軽くカットだけしておくという使い方もできると思います。
今回Filmoraを使って作ったショート動画がこちらです。
「動画制作の先輩」も推せる、動画デビューに向いた仕上がり
一通りFilmoraを触ってもらいましたが、総評としてはどうでしたか?
佐孝:時短につながる要素が充実しているのが印象的でした。豊富なテンプレやシンプルなUIなどは、時短と同時にソフト自体のとっつきやすさにもつながっていますね。昔は動画編集ソフトといえば複雑なUIが定番でしたが、今はこんなにもシンプルになっているんだなぁと。
佐孝:編集について、あえて難しい用語を使わなかったり、細かい設定を省いたりすることで、結果として、誰にでも使いやすい操作性が実現できているのだと思います。特に動画編集をこれから始める人にとって、簡単なUIで動画編集のノウハウを学べるのは第一歩としてはいいですね。主流となってきてたショート動画も充分作り込めると思いますよ。
動画制作を生業とする人間から見ても過不足ない仕上がりのFilmora。例えば動画を作り始める最初の段階で24種類のテンプレートプリセットが用意されていて、タイムラインに素材を投げるだけで動画を作ることもできます。テンプレをベースにカスタムしていけば、オリジナリティのある動画も作れますよ。
そんなFilmoraですが、機能面だけでなく価格の面でもユニークなんです。個人向けなら年額で6,980円。買い切りで使える永続ライセンスでも8,980円と、どちらもアンダー1万円。この価格は大手の動画編集ソフトに比べて、圧倒的にお安いです。
ただし買い切り版は記事執筆時点でバージョン13のみ利用可能で、AI機能の利用回数に制限があります。長い目で見ると年額プランの方が使いやすそうですが、買い切り版も用意してくれてるのは選択肢としてありがたい。
正直、これが令和の動画編集ソフトなんだなぁと隔世の感すらありました。動画編集ってスキルだけでなく継続できるかどうか(主に価格の面で)も大事だと思うんですけど、Filmoraはそのあたりをしっかりカバーしてきたなと。動画経験値を積むという意味でも、最初の一歩の踏み出しやすさって重要ですよ。
動画デビューのハードルは、ぼくたちが想像しているほど高くない。それを気づかせてくれたのは、Filmoraでした。
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Photo: Daisuke Ishizaka
Source: Filmora
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