シーズン開幕から2ヶ月が経過したプレミアリーグに、早くも監督解任の噂が流れはじめている。最下位に沈むチャールトンのイアン・ダウィーや、大型補強を敢行しながら現在泥沼の8連敗に苦しむウェストハムのアラン・パードゥが有力で、リバプールのラファエル・ベニテスにもクラブ首脳から不満の声が漏れている。しかし、今年も幕を開けた“監督解任レース”に1人の指揮官が異論を唱えた。自らも“クビ候補”である、マンチェスター・シティのスチュアート・ピアスだ。

 ピアス率いるマンCは、勝点9で現在15位。先週末のウィガン戦で0−4の惨敗を喫した指揮官は、ジョン・ワードル会長から「同様の敗戦が続けば即刻クビ」との警告を受けたばかり。しかし、あまりにも危うい立場を嘆くピアスは、選手と同様の移籍期間を監督にも適用すべきと訴えた。

「近い将来、監督にも移籍期間を適用すべきだ。解任や新監督の招聘を、移籍マーケット中にしか行なえないようにするんだ。そうすれば、我々もより仕事に集中できる。現状では、1試合の結果が監督の立場を左右する。そんな状況は、各クラブやフットボール界全体にとって健全ではない。わたしに言わせれば茶番だ。今週はアラン・パ−ドゥで、来週はイアン・ダウィか? 先週はわたしで、その前の週は(ミドルスブラの)ガレス・サウスゲイトが解任だって言われていただろう。こんなバカげた状況が繰り返されるのは間違いだ」

 毎年恒例の“監督解任レース”については、アレックス・ファーガソンやアーセン・ベンゲルといった長期政権を誇る“勝ち組”も、疑問を投げかけている。窮地に立たされた監督の切実な思いを代弁したピアス。その言葉は、クラブ首脳陣に届くだろうか…。