カペッロ監督就任以来チームでもレギュラーポジションを奪われ、ベンチを暖める機会が増大し、フラストレーションが溜まるいっぽうのデイビッド・ベッカム。契約延長の交渉はしているものの進展せず、もの別れに終わっている状況だ。そして、レアル・マドリーでの先行きが暗いベッカムにカペッロ監督は、戦力外通告ともとれるコメントをつきつけた。

「ベッカムの契約更新は、私ではなくクラブの問題であり、私には関係ないこと。それに、ベッカムのポジションには他の選手もいる」。

カペッロ監督は、英紙‘The Sun’のインタビューでそうコメント。ベッカムがいなくなっても問題がないことを示唆している。

2007年6月でレアル・マドリーとの契約が終了するベッカムは、1月からどこのクラブとも自由に交渉が始められ、移籍金なしで他のクラブへ行くことが可能となる。その移籍金の高さから、ベッカム獲得に二の足を踏むクラブにとっては願ってもないチャンスと言える。ベッカム自身もレアル・マドリーに未練はないようで、契約期間をまっとうし、来年6月以降は行きたいクラブに移籍したいと考えているようだ。

とはいえ、レアル・マドリー側としては3年前に3500万ユーロ(約52億円)という大枚をはたいて獲得したベッカムをタダで手放すという事態は何としてでも避けたいはず。1月の移籍マーケット期間中にベッカムを売却したいと考えている。

そのベッカムには、マインツ05、ハノーバー、ボルフスブルグといったブンデスリーガのクラブが関心を示しているようだが、ベッカム自身はプレミアリーグへの復帰を第一に考えている。

思惑の異なる両者の間での駆け引きの末、どのような結論が生まれるのか、これからも注目が集まる。