セリエA第9節の注目カード、28日夜に行われたACミラン対インテルの“ミラノ・ダービー”は3−4(アウェイ扱い)でインテルが勝利を収めた。一時は1−4とゲームを決めたかに見えたインテルだったが、DFマルコ・マテラッツィ(33)の退場が響き終わってみれば3−4の辛勝となった。

前半17分にFWクレスポのヘッドで先制したインテルは同22分、MFスタンコビッチが豪快なミドル弾を決め0−2で前半を終える理想の展開。後半開始直後に数的優位な状況から最後はFWイブラヒモビッチが決めて0−3。同5分、相手MFセードルフに決められ1点を許したインテルだが、この時点では圧勝ムードが漂っていた。だが1−3で迎えた後半22分、マテラッツィの“突発的行動”が一瞬で圧勝ムードを地獄ムードに変えた。MFフィーゴのFKから得意のヘッドを叩き込んだマテラッツィはユニフォームを捲るパフォーマンスで喜びを爆発。ユニフォームの下には、この日誕生日を迎えた次男のために用意した「AUGURI DAVIDE(ダビデ、おめでとう)」とプリントされたメッセージTシャツを着用。大舞台で最愛の息子へゴールを贈ったマテラッツィに、ファリーナ主審は躊躇する事無くレッドカードを突き付けた。既にイエローカードを1枚提示されていたマテラッツィは、イエロー2枚で退場処分。まさかの展開にマテラッツィは茫然自失のままピッチを後にしたが、残された選手達にとっては迷惑千万。193cmのマテラッツィ退場効果は抜群で、同24分には不調FWジラルディーノに楽々とヘッドを決められ2−4。全力疾走で疲れの見え始めた時間帯での退場が響いたインテルは、終了間際に相手MFカカに決められ3−4。最後は防戦一方でかろうじて凌ぎ、インテルがボロボロになりながらも勝利を掴んだ。

“ダービー”を制し首位キープに成功したインテル監督マンチーニは「(退場前の)後半20分までは我々がゲームを支配していたが。まぁあれぐらいでイエローを提示するのもどうかと思うが・・・」と苦虫を噛み潰したようで問題場面を振り返った。熱狂的なミラニスタ(ミラン・サポーター)の息子ダビデ君に捧げる一発と退場。ACミランの猛反撃を計算した上での退場ではないだろうが、“突発的行動”により息子にプレゼントを2個贈る結果となった。