2021年に開催された東京オリンピックでは、日本の寝具メーカーであるエアウィーヴが開発した「段ボールベッド」が選手村に配備され、意外な材質やその耐久性などに世界的な注目が集まりました。2024年に開催されるパリオリンピックでもエアウィーヴ製の段ボールベッドが採用されており、一部の海外メディアは「選手同士の性行為を防ぐアンチセックスベッド」と報じています。

Paris Olympic village receives 'anti-sex' beds

https://www.insidethegames.biz/articles/1145136/paris-olympic-village-anti-sex-beds



'Anti-sex' beds have arrived at Paris Olympics - after horny athletes admit to orgies

https://nypost.com/2024/05/14/lifestyle/anti-sex-beds-have-arrived-at-paris-olympics-after-horny-athletes-admit-to-orgies/

東京オリンピックの選手村に採用されたエアウィーヴ製のベッドは、選手の睡眠に配慮すると共に持続可能性も考慮したものとなっており、掛け布団には羽毛ではなくリサイクル可能なポリエステルが用いられたほか、ベッドフレームにはなんと段ボールが使用されました。段ボール製ベッドは世界的な注目を集め、「ベッドを段ボールで作っても耐久性は問題ないのか?」といった疑念の声や、「選手同士の性行為を防ぐためのベッドではないか?」といった臆測も飛び交いました。

しかし、エアウィーヴは段ボールベッドの耐久性について、一般的なベッドフレームの荷重である200kgをクリアしており、平均的な成人男性3人が乗って飛び跳ねても問題ないように設計されていると説明していました。実際に、イスラエルの野球代表選手らは段ボールベッドの上で飛び跳ねる様子をSNSに投稿し、最終的に9人がジャンプするまで段ボールベッドが壊れなかったことから、段ボールベッドにはかなりの耐久性があったことも明らかになっています。

このエアウィーヴ製の段ボールベッドは、2024年7月26日〜8月11日に開催されるパリオリンピックでも採用されています。4月末には約1万人のアスリートを受け入れる選手村に段ボールベッドが到着し、1万6000台ものベッドが設置される予定となっています。

国際オリンピック委員会(IOC)が2023年7月に公開した動画では、トーマス・バッハ会長が段ボールベッドに腰をかけ、このベッドで寝てみたところ非常によく眠ることができたとアピールしています。

IOC President Thomas Bach at the Olympic Village Paris 2024 - YouTube

実際のところ段ボールベッドにはかなりの耐久性があることがわかっていますが、かつて段ボールベッドが「選手同士の性行為を防ぐためのものではないか?」とウワサされたこともあり、Inside the Gamesやニューヨーク・ポストといった海外メディアは、段ボールベッドのことを「アンチセックスベッド」と報じています。

ニューヨーク・ポストは、「2024年のオリンピックに先立ち、パリに『アンチセックスベッド』が到着しました。その素材と小さなサイズは、競技中にアスリートが性的に奔放になるのを抑止するためだといわれています。ベッドはツインサイズなので、セックス相手が一緒に寝るスペースはありません」と述べました。

段ボールベッドがセックス防止を目的にしているというのはジョークに近いフェイクニュースですが、オリンピックの選手村では性が乱れがちであり、選手同士のセックスが行われていることは以前から指摘されています。こうした事態を受けてパリオリンピックでは、選手村に約30万個ものコンドームが用意されることも明らかになっています。

Paris 2024 Olympics: Condoms for athletes, but no champagne - organisers hope Games can unite a world in conflict | World News | Sky News

https://news.sky.com/story/paris-2024-olympics-condoms-for-athletes-but-no-champagne-organisers-hope-games-can-unite-a-world-in-conflict-13095259