イタリアの経済都市ミラノに拠点を持つACミランとインテルの一戦“ミラノ・ダービー”が28日夜、サンシーロ・スタジアムで行われる。264度目の対戦を控え、両監督が勝利への意気込みを語った。現在までの成績はACミラン=103勝、インテル=88勝、引き分け=72。

大黒柱シェフチェンコ不在により、攻撃陣の不調が目立つ今季のACミラン。「−8」ポイントスタートを切ったACミランは開幕3連勝で借金スピード完済に成功したが、3連続引き分け後、パレルモに完敗。前節対キエーボ戦、辛うじて勝利を収めたACミランだがFW陣の得点力不足は顕著で、勝ち点「7」の12位と低迷の原因となっている。27日夜に開かれたCONI(イタリアオリンピック協会)による仲裁裁判では「ACミランのみペナルティ軽減なし」との判決が下されており、選手のモチベーションがどちらに転ぶかも興味深い。予想布陣はアルベロ・ディ・ナターレ(クリスマスツリー)と呼ばれる4−3−2−1。ACミラン監督アンチェロッティは「ミランは大一番に強く、勝ち点差を縮める絶好の機会。FW陣の得点力不足?それを逆手にとる」とコメント、得点力の高い中盤構成でゴールを狙う。

B降格ユベントスからMFビエィラ、FWイブラヒモビッチ獲得に成功したインテル。DFグロッソ、マイコン、FWクレスポも獲得し、100点満点の移籍市場と評された。スキャンダル無縁でペナルティなしのインテルは“優勝候補大本命”と目され、第8節終了時で5勝3分の勝ち点「18」でパレルモと並び首位に立っている。マンチーニ監督は「引き分け狙いは野暮な考え。カカはワンアクションで試合を決められるフオーリクラッセ(類稀な才能・突出した天才)で、絶対にスペースを与えてはならない」と“司令塔封じ”で勝利を狙う。絶不調アドリアーノの緊急帰国、復活レコバの再離脱、MFカンビアッソの長期離脱とマイナス要素も多いが、セリエA随一の選手層で乗り切っているインテル。唯一の不安材料は安定感に欠けるGKフリオ・セーザルぐらいか。

スタジアム離れが目立つ最近のセリエA。世界を代表する名門同士の対戦となる今夜のダービー戦、85700人収容のスタジアムを震撼させる魅力溢れる試合が期待される。