Apple M4がベンチマーク結果でIntel Core i9-14900KSを破ったという報告
ベンチマークアプリを提供するGeekbenchのオンラインデータベースに、AppleのM4のベンチマーク結果が投稿されています。それによると、M4のスコアがCPUシングルスレッドの結果においてM4がIntelのCore i9-14900KSを上回ったとのことです。
Incredible Apple M4 benchmarks suggest it is the new single-core performance champ, beating Intel's Core i9-14900KS - results of 3,800+ posted | Tom's Hardware
2024年5月7日に開催されたAppleの新製品発表イベントで、M4搭載のiPad Proが発表されました。M4は第2世代3nmテクノロジーを採用したSoCで、最大10コアのCPUはM2と比較して最大50%も高速になったとAppleはアピールしています。なお、iPad Proに搭載されているM4のCPUコア数はストレージサイズによって変わり、256GBモデルと512GBモデルは9コア、1TBモデルと2TBモデルは10コアとなっています。
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M4搭載iPad ProでGeekbench 6を回した結果を、以下のオンラインデータベースで見ることができます。
Geekbench Search - Geekbench
https://browser.geekbench.com/search?utf8=%E2%9C%93&q=ipad16%2C5
このデータベースによると、M4のシングルコアスコアは約3700、マルチコアスコアは約1万5000弱となっています。
10コアCPUのM4搭載iPad Proのベンチマークスコアを、Intel Core i9-14900KS搭載のWindowsマシンのスコアと比較した結果が以下。マルチコアスコアではCore i9-14900KSが大きく上回っていますが、シングルスコアではM4の方がIntel Core i9-14900KSをやや上回っています。
IT系ニュースサイトのTom's Hardwareは「Geekbenchでのシングルコアスコアの大きな向上は、新たに追加されたScalable Matrix Extensions(SME)のサポートのおかげかもしれません」と述べています。
SMEは、Armv9アーキテクチャにおけるCPUでの行列演算処理のスループットと効率の大幅な向上を実現する拡張機能です。Geekbenchはバージョン6.3でSMEに対応しました。Tom's Hardwareは、M4がArmv9アーキテクチャを採用している可能性を指摘し、Geekbench がSMEに対応したことでM4のシングルスコアが伸びたのではないかとみています。
ただし、行列演算は本来CPUよりもNPUやGPUでの演算に適しているという理由から、GeekbenchがSMEに対応したのは2024年4月にリリースされたバージョン6.3から。記事作成時点ではIntelの競合技術であるAdvanced Matrix Extension(AMX)にまだ対応していません。また、Tom's Hardwareは「仮にM4のCPUコアでSMEが実行されたとしても、日常的な使用にどれだけのメリットをもたらすのかは明らかではありません」と述べました。