ドジャース・大谷翔平【写真:Getty Images】

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「大谷を大谷自身から守る」…地元紙「LAタイムズ」がコラムを掲載

 ドジャース大谷翔平投手は12日(日本時間13日)の敵地パドレス戦を、腰の張りのため欠場した。症状は回復傾向にあったが、デーブ・ロバーツ監督がストップをかけた。地元紙「ロサンゼルス・タイムズ」は「ショウへイ・オオタニをオオタニ自身から守る:ロバーツ監督、役割を果たす」のタイトルでコラム記事を掲載。エンゼルスとの対応の違いなどを伝えている。

 大谷自身はこの日の試合に出場できる状態だと感じていた。相手先発はダルビッシュ有投手。対戦を心待ちにしていたが、ロバーツ監督がそうさせなかったと伝える。大谷は自身の意見を訴えることはなく、ロバーツ監督が通訳を介してスタメンに入らないことを伝え、それで終わりだった。

 今回の指揮官の対応は、ドジャースで最も重要な関係性の1つが期待できるスタートを切ったことの証だった。この関係は大谷が来季、投球をする際にさらに重要になると思われる。大谷クラスの選手になると、“労使”は簡単に分離できなくなるが、昨年エンゼルスができなかったことを、ドジャースはやってのけた。「それは大谷を、大谷自身から守ることだ」と指摘する。

 ロバーツ監督は「彼は、これが自身とチームの利益になると分かっていると思う」と話した。

 エンゼルス時代は、チームにも大谷自身にとっても一番の利益は、ほとんどの試合に出ることだった。だから出続けた。エンゼルスは大谷を止める立場になく、指のけいれんのため4回で降板した際にMRI検査を受けるよう説得できなかった(昨年8月3日のマリナーズ戦)。そうした結果が、昨年9月に受けた2度目の右肘手術だったとしている。

大谷を止められず…エ軍には「大局がなかった」

 エンゼルスは大谷に、大局を見据えるよう忠告できなかった。大局がなかったからだ。エンゼルスドジャースと異なり、ポストシーズン出場が保証されていなかった。一方、ドジャースには才能ある選手がそろっている。実績があり、優勝への現実的な熱意があるとも述べている。

 ドジャースは10日(同11日)に13連戦が始まったばかり。ロバーツ監督は同地区ライバルとの試合であっても、この時期に危ない橋を渡るつもりはないようだ。「今は13連戦の最中で、チームとしては確実に、少し慎重にいきたかった」と述べている。

 判断する権利を大谷から取り上げたことは、小さなことだがロバーツ監督の“重要な一手”だった。昨年のエンゼルスのように、両者の関係の中で一度成立した条件を取り消すことは難しい。

 指揮官は今後、大谷のプレースケジュールを決める時には本人の意見を求めるとも言った。大谷はそれに値する存在だが、エンゼルスのように大谷との関係について一方的になるのを許すわけにはいかない。この日の欠場は、一方的にならないかもしれない兆しだったと結んでいる。(Full-Count編集部)