高丘陽平は桁違いのMLSで何に驚いた? 現地で感じる大谷人気、サッカーの立ち位置、日本人GKの危機感も「レベルは上がっていかない」
【「MLSで奮闘するサムライ守護神」直撃インタビュー中編(全3回)】
昨季からバンクーバー・ホワイトキャップスの正守護神を担う高丘陽平に迫る、特別インタビュー。前編では、なぜ北米に活躍の場を求めたのか、肌で感じるMLSの特徴などを尋ねた。今回は少年時代のエピソード、現地カナダでの生活に踏み込んだ。
【前編】「本当にタフ」「日本とは桁が違う」高丘陽平が語るMLSのリアル。助っ人守護神の難しさも「普通じゃ駄目。常に問いかけている」
――◆――◆――
――元々、海外志望だったのでしょうか?
「小学校、中学校くらいの小さい時からヨーロッパ、海外でプレーしたいとずっと思っていました。幼少期に中村俊輔選手や中田英寿選手、本田圭佑選手、香川真司選手たちがヨーロッパのトップクラブでやっているのを見て、自分も海外でプレーできる選手になりたいと思っていました。
ゴールキーパーで言えば、やっぱり川島永嗣選手。日本人ゴールキーパーがヨーロッパの第一線でああやって活躍し続けるのは素晴らしいことですし、そういった選手が1人でも多く出てこないと、ゴールキーパーのレベルは上がっていかないと思います。まだまだやることはたくさんありますね」
――憧れていた、自身にとってのアイドルを1人挙げるとすれば?
「小さい頃で言うと、中村俊輔選手の左足はやっぱり…やべっちFCでのフリーキック対決などを見ていたので、僕は右利きだけど、左足かっこいいなって。そんな単純な理由で左足のフリーキックの練習をしていました。幼少期の記憶で言えば、中村俊輔選手だと思います」
――GKはサッカーを始めた直後から?
「本格的に始めたのは小学5年生ですかね。たぶん5年生になった時に、小学校のチームとしては当時珍しかったんですけど、キーパーコーチの方がいたので、小5から本格的に始めました」
――地元横浜の旭高校時代には、同級生に現在ヴィッセル神戸でプレーする汰木康也選手がいましたね。
「今年は会ったかな…。連絡はちょこちょこ取っています。初めて会ったのは、小5の横浜市トレセンぐらいだと思います」
MLSでは高丘のほかに、ホワイトキャップスと同じウェスタン・カンファレンスのロサンゼルス・ギャラクシーで吉田麻也と山根視来、イースタン・カンファレンスのFCシンシナティで久保裕也も活躍している。同胞の存在は大きな支えになっているようだ。
――◆――◆――
――MLSでプレーする日本人同士の交流はありますか?
「連絡を取ったりだとか、プレシーズン中で言えば、泊まっているホテルが一緒だったので、 そこでお茶したり、意見交換など色々させてもらいました。僕がこっちに来る時も久保裕也選手に色々と相談に乗ってもらいました。
少しでも日本人選手が増えると嬉しいです。僕の肌感ですけど、MLSに来たがっている日本人選手は数多くいるので、そういった選手が来やすい活躍を僕らは見せないといけないと思います」
――海外でGKとしてプレーする大変さは?
「それは去年、僕が一番感じたことというか。ちょっと言い方が悪いかもしれないですけど、たとえば前線の選手だったらポンって海外のチームに入っても、ある程度はコミュニケーションを取らずとも雰囲気で、ボールで会話できたりすると思います。ゴールキーパーだと感覚だけでプレーするわけにはいかないので、チームメイトとコミュニケーションを取らないといけないですし、信頼関係を築いていかないといけません。
周りの選手に認めてもらわないと、信頼関係は積み上がっていかないので。特に後ろの選手ですね。やっぱりゴールキーパーは特別です。大事なポジションで、守備の要で、守備のリーダーであり、チームのリーダーでないといけないので、そういったところを日本人のゴールキーパーが務めることがいかに難しいか、いかに大変かを去年痛感しました。だからこそ、川島永嗣選手がいかに素晴らしいかを本当に身をもって体感しました」
――ピッチ外で驚いた部分は?
「移動が全部、飛行機で、チャーター機なことです。あとはアウェーでアメリカに行く時に、行きはバンクーバーの空港からイミグレーションを通って行くけど、帰りは通らずに、そのまま帰ってこられます。試合後にバスに乗って、そのバスを飛行機に横付けして、軽くパスポートチェックだけして帰るみたいな感じなので。たぶん、リーグと航空会社が提携しているんだと思います。日本みたいに一般客と一緒に乗ることがないので、そういったところは驚きましたね」
――ちなみに飛行機での移動時、どんなことをしていますか?
「寝ている選手もいれば、iPadのゲームを何人かでやったりとか。ポーカーをやっている選手もいますし、それぞれ好きな感じで過ごしていますね」
高丘がカナダに渡った直後、日本で話題となったのが語学力だ。通訳を付けることなく、およそ3分のインタビューに英語で対応し、高い順応性を見せつけた。かねてより海外挑戦を意識し、コツコツと勉強を重ねていたのだろうか。
――◆――◆――
――学生時代からある程度、英語に自信があったのでしょうか?
「学校の勉強をしていましたけど、全く喋れなかったです。2022年からちゃんと英語の先生に付いてもらって勉強して、そこからある程度は相手の言っていることが分かって、伝えたいことが伝えられるようになりました。語学に関してはまだまだ勉強中です。もっともっと高めていかなきゃいけないと思っています」
――カナダとアメリカで英語に違いは感じますか?
「バンクーバー、カナダの訛り、方言みたいなものはあるらしいんですけど、チームにいてあまり感じないです。アメリカ人の選手もいれば、カナダ人の選手もいたり、ヨーロッパの選手もいれば、ラテン系の選手もいたり。アメリカとカナダの違いはあんまり分からないです」
――英語以外は? スペイン語に触れる機会も多いですよね。
「ラテン系の選手は基本スペイン語なので、英語とスペイン語が一応、公用語みたいな感じです。スペイン語もちょっと勉強していますが、もっともっとやらなきゃいけませんね」
――少し話を広げて、サッカーに限らず、海外で働く一番のメリットは何でしょう?
「日本人が日本人の価値を証明する、示すためには、日本人の中にいるのではなくて、外で活躍しないことには価値や重要性は示せないと思うので、だからこそ外に来る必要があると思います。言ってしまえば、日本人が日本人の中で成功するのは当たり前というか。もちろん成功は簡単ではなく、日本人の中で活躍しないと海外には出られないですけど、日本人の価値を示すためには、『力を発揮する場所』が大事になると思っています」
北米では4大プロスポーツリーグと言われるMLB(野球)、NBA(バスケットボール)、NFL(アメリカンフットボール)、NHL(アイスホッケー)が高い人気を誇る。MLBでは御存知、大谷翔平が大活躍中だ。
リオネル・メッシの参戦でもう一段階ブーストしたMLSの立ち位置は、現状どこにあるのか。
――◆――◆――
――肌感で、現地で一番人気のスポーツは何ですか?
「僕の感じだと、アメフト、こっちで言うフットボールが一番かなと。やっぱりスーパーボウル(NFLの優勝決定戦)はほとんどみんなテレビ、というよりパブで見ています。僕もスーパーボウルはチームメイトの家で一緒に見ていたので、僕の肌感的にはアメリカンフットボールがアメリカ、カナダでは一番かなと思いますね」
――サッカーもかなり盛り上がってきている?
「すごく盛り上がってきていると思います。カナダは土地が広くて公園もいっぱいあって、公園も日本のような土じゃなくて、芝というか、整えられた芝じゃないですけど、ちゃんとサッカーができるような芝生なので、そういった環境面はすごく羨ましいですね」
――日本は大谷翔平フィーバーに沸いています。北米で最も有名な日本人アスリートは?
「こっちに来て言われたのは、大谷選手はもちろんですけど、イチローさん。試合前に相手のキーパーの選手に『俺はイチローのビッグファンなんだよ』『やっぱりイチローすごいよな』みたいな感じで言われたりしました。あと野茂英雄さんの名前も何回か出てきました。でもやっぱり大谷さん。今、色々ホットなニュースもありますけど、大谷さんの名前を聞くことがやっぱり多いですかね」
――現地の野球選手との交流はありますか?
「いや、ほとんどないですね。バンクーバーに野球チームがないので。イチローさん、ダルビッシュさん、大谷さんと一緒にご飯を食べて、色々と質問してみたいですね」
中編で最後に訊いたのはプライベート。オンとオフを上手く切り替え、充実した海外生活を送る様子が窺える。
――◆――◆――
――オフの過ごし方は?
「マンションにサウナがついているので、そこのサウナに入ったり、家の近くのレストランに行ったりしています。車で2時間ほどの場所にウィスラーという、冬季オリンピックでスキージャンプもやるような良い街があるんですけど、そこにすごく有名なサウナがあって、そこに行ったりしていますね。お気に入りです」
――レストランなど、よく行くお店はありますか?
「Bistro Sakanaという、お寿司など日本の料理が食べられるお店です。こっちだと、たとえばカリフォルニアロールとか、そういうフュージョン料理が多いですが、そこは僕ら日本人が好むような伝統的な日本のご飯が食べられるので、よく行っています」
――現地の食べ物で気に入ったものは?
「普段、家では日本食を食べているので、カナダ料理はあんまり…。チームメイトも『正直、特産物がない。メープルシロップだけだ』と言っていたので、たぶんそうなんだろうなと思います。なので『カナダの代表的な料理を食べたか?』って言われたら、ちょっと分からないですね」
――映画、ドラマ、アニメなど、映像作品は見ますか?
「最近だと、Netflixでマンチェスター・シティのトレブルのドキュメンタリーが出ていたので見ました。英語学習も兼ねてNetflixで色々見るようにしています」
――選手内でのNetflix加入率はかなり高いですね。
「仕事柄、移動が多いので、そういった際の語学の勉強にもなりますし、非常に良いアプリ、アイテムかなと思います。移動中にiPadやiPhoneでNetflixを見ている選手が多いです」
――試合前などに音楽は聴きますか?
「音楽は聴きます。藤井風さん、ONE OK ROCK、ケツメイシとか。試合前はなるべく日本の曲を聴くようにしています。それ以外の時は英語の学習、言語の習得をするうえで一応、海外の曲を聴いていますが、試合前は自分が聴きたいものを聴きたいなって(笑)。洋楽はチームメイトがスピーカーで試合前に流しているので、だったら自分は日本の音楽を聴こうかなって感じで聴いています」
――他の地域に観光で出かけたりしましたか?
「去年で言えば、ニューヨークで試合があった後にそのまま何日かオフがあったので、そのままステイしてニューヨークを旅行しました」
――あえて訊きます(笑)。ニューヨークと横浜、どちらが好みですか?
「難しい質問ですね(笑)。良さが違うというか。横浜は美しい街なんですけど、ニューヨークはやっぱり世界のニューヨークなので、単純にすごかったです」
取材・構成●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)
昨季からバンクーバー・ホワイトキャップスの正守護神を担う高丘陽平に迫る、特別インタビュー。前編では、なぜ北米に活躍の場を求めたのか、肌で感じるMLSの特徴などを尋ねた。今回は少年時代のエピソード、現地カナダでの生活に踏み込んだ。
【前編】「本当にタフ」「日本とは桁が違う」高丘陽平が語るMLSのリアル。助っ人守護神の難しさも「普通じゃ駄目。常に問いかけている」
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――元々、海外志望だったのでしょうか?
「小学校、中学校くらいの小さい時からヨーロッパ、海外でプレーしたいとずっと思っていました。幼少期に中村俊輔選手や中田英寿選手、本田圭佑選手、香川真司選手たちがヨーロッパのトップクラブでやっているのを見て、自分も海外でプレーできる選手になりたいと思っていました。
――憧れていた、自身にとってのアイドルを1人挙げるとすれば?
「小さい頃で言うと、中村俊輔選手の左足はやっぱり…やべっちFCでのフリーキック対決などを見ていたので、僕は右利きだけど、左足かっこいいなって。そんな単純な理由で左足のフリーキックの練習をしていました。幼少期の記憶で言えば、中村俊輔選手だと思います」
――GKはサッカーを始めた直後から?
「本格的に始めたのは小学5年生ですかね。たぶん5年生になった時に、小学校のチームとしては当時珍しかったんですけど、キーパーコーチの方がいたので、小5から本格的に始めました」
――地元横浜の旭高校時代には、同級生に現在ヴィッセル神戸でプレーする汰木康也選手がいましたね。
「今年は会ったかな…。連絡はちょこちょこ取っています。初めて会ったのは、小5の横浜市トレセンぐらいだと思います」
MLSでは高丘のほかに、ホワイトキャップスと同じウェスタン・カンファレンスのロサンゼルス・ギャラクシーで吉田麻也と山根視来、イースタン・カンファレンスのFCシンシナティで久保裕也も活躍している。同胞の存在は大きな支えになっているようだ。
――◆――◆――
――MLSでプレーする日本人同士の交流はありますか?
「連絡を取ったりだとか、プレシーズン中で言えば、泊まっているホテルが一緒だったので、 そこでお茶したり、意見交換など色々させてもらいました。僕がこっちに来る時も久保裕也選手に色々と相談に乗ってもらいました。
少しでも日本人選手が増えると嬉しいです。僕の肌感ですけど、MLSに来たがっている日本人選手は数多くいるので、そういった選手が来やすい活躍を僕らは見せないといけないと思います」
――海外でGKとしてプレーする大変さは?
「それは去年、僕が一番感じたことというか。ちょっと言い方が悪いかもしれないですけど、たとえば前線の選手だったらポンって海外のチームに入っても、ある程度はコミュニケーションを取らずとも雰囲気で、ボールで会話できたりすると思います。ゴールキーパーだと感覚だけでプレーするわけにはいかないので、チームメイトとコミュニケーションを取らないといけないですし、信頼関係を築いていかないといけません。
周りの選手に認めてもらわないと、信頼関係は積み上がっていかないので。特に後ろの選手ですね。やっぱりゴールキーパーは特別です。大事なポジションで、守備の要で、守備のリーダーであり、チームのリーダーでないといけないので、そういったところを日本人のゴールキーパーが務めることがいかに難しいか、いかに大変かを去年痛感しました。だからこそ、川島永嗣選手がいかに素晴らしいかを本当に身をもって体感しました」
――ピッチ外で驚いた部分は?
「移動が全部、飛行機で、チャーター機なことです。あとはアウェーでアメリカに行く時に、行きはバンクーバーの空港からイミグレーションを通って行くけど、帰りは通らずに、そのまま帰ってこられます。試合後にバスに乗って、そのバスを飛行機に横付けして、軽くパスポートチェックだけして帰るみたいな感じなので。たぶん、リーグと航空会社が提携しているんだと思います。日本みたいに一般客と一緒に乗ることがないので、そういったところは驚きましたね」
――ちなみに飛行機での移動時、どんなことをしていますか?
「寝ている選手もいれば、iPadのゲームを何人かでやったりとか。ポーカーをやっている選手もいますし、それぞれ好きな感じで過ごしていますね」
高丘がカナダに渡った直後、日本で話題となったのが語学力だ。通訳を付けることなく、およそ3分のインタビューに英語で対応し、高い順応性を見せつけた。かねてより海外挑戦を意識し、コツコツと勉強を重ねていたのだろうか。
――◆――◆――
――学生時代からある程度、英語に自信があったのでしょうか?
「学校の勉強をしていましたけど、全く喋れなかったです。2022年からちゃんと英語の先生に付いてもらって勉強して、そこからある程度は相手の言っていることが分かって、伝えたいことが伝えられるようになりました。語学に関してはまだまだ勉強中です。もっともっと高めていかなきゃいけないと思っています」
――カナダとアメリカで英語に違いは感じますか?
「バンクーバー、カナダの訛り、方言みたいなものはあるらしいんですけど、チームにいてあまり感じないです。アメリカ人の選手もいれば、カナダ人の選手もいたり、ヨーロッパの選手もいれば、ラテン系の選手もいたり。アメリカとカナダの違いはあんまり分からないです」
――英語以外は? スペイン語に触れる機会も多いですよね。
「ラテン系の選手は基本スペイン語なので、英語とスペイン語が一応、公用語みたいな感じです。スペイン語もちょっと勉強していますが、もっともっとやらなきゃいけませんね」
――少し話を広げて、サッカーに限らず、海外で働く一番のメリットは何でしょう?
「日本人が日本人の価値を証明する、示すためには、日本人の中にいるのではなくて、外で活躍しないことには価値や重要性は示せないと思うので、だからこそ外に来る必要があると思います。言ってしまえば、日本人が日本人の中で成功するのは当たり前というか。もちろん成功は簡単ではなく、日本人の中で活躍しないと海外には出られないですけど、日本人の価値を示すためには、『力を発揮する場所』が大事になると思っています」
北米では4大プロスポーツリーグと言われるMLB(野球)、NBA(バスケットボール)、NFL(アメリカンフットボール)、NHL(アイスホッケー)が高い人気を誇る。MLBでは御存知、大谷翔平が大活躍中だ。
リオネル・メッシの参戦でもう一段階ブーストしたMLSの立ち位置は、現状どこにあるのか。
――◆――◆――
――肌感で、現地で一番人気のスポーツは何ですか?
「僕の感じだと、アメフト、こっちで言うフットボールが一番かなと。やっぱりスーパーボウル(NFLの優勝決定戦)はほとんどみんなテレビ、というよりパブで見ています。僕もスーパーボウルはチームメイトの家で一緒に見ていたので、僕の肌感的にはアメリカンフットボールがアメリカ、カナダでは一番かなと思いますね」
――サッカーもかなり盛り上がってきている?
「すごく盛り上がってきていると思います。カナダは土地が広くて公園もいっぱいあって、公園も日本のような土じゃなくて、芝というか、整えられた芝じゃないですけど、ちゃんとサッカーができるような芝生なので、そういった環境面はすごく羨ましいですね」
――日本は大谷翔平フィーバーに沸いています。北米で最も有名な日本人アスリートは?
「こっちに来て言われたのは、大谷選手はもちろんですけど、イチローさん。試合前に相手のキーパーの選手に『俺はイチローのビッグファンなんだよ』『やっぱりイチローすごいよな』みたいな感じで言われたりしました。あと野茂英雄さんの名前も何回か出てきました。でもやっぱり大谷さん。今、色々ホットなニュースもありますけど、大谷さんの名前を聞くことがやっぱり多いですかね」
――現地の野球選手との交流はありますか?
「いや、ほとんどないですね。バンクーバーに野球チームがないので。イチローさん、ダルビッシュさん、大谷さんと一緒にご飯を食べて、色々と質問してみたいですね」
中編で最後に訊いたのはプライベート。オンとオフを上手く切り替え、充実した海外生活を送る様子が窺える。
――◆――◆――
――オフの過ごし方は?
「マンションにサウナがついているので、そこのサウナに入ったり、家の近くのレストランに行ったりしています。車で2時間ほどの場所にウィスラーという、冬季オリンピックでスキージャンプもやるような良い街があるんですけど、そこにすごく有名なサウナがあって、そこに行ったりしていますね。お気に入りです」
――レストランなど、よく行くお店はありますか?
「Bistro Sakanaという、お寿司など日本の料理が食べられるお店です。こっちだと、たとえばカリフォルニアロールとか、そういうフュージョン料理が多いですが、そこは僕ら日本人が好むような伝統的な日本のご飯が食べられるので、よく行っています」
――現地の食べ物で気に入ったものは?
「普段、家では日本食を食べているので、カナダ料理はあんまり…。チームメイトも『正直、特産物がない。メープルシロップだけだ』と言っていたので、たぶんそうなんだろうなと思います。なので『カナダの代表的な料理を食べたか?』って言われたら、ちょっと分からないですね」
――映画、ドラマ、アニメなど、映像作品は見ますか?
「最近だと、Netflixでマンチェスター・シティのトレブルのドキュメンタリーが出ていたので見ました。英語学習も兼ねてNetflixで色々見るようにしています」
――選手内でのNetflix加入率はかなり高いですね。
「仕事柄、移動が多いので、そういった際の語学の勉強にもなりますし、非常に良いアプリ、アイテムかなと思います。移動中にiPadやiPhoneでNetflixを見ている選手が多いです」
――試合前などに音楽は聴きますか?
「音楽は聴きます。藤井風さん、ONE OK ROCK、ケツメイシとか。試合前はなるべく日本の曲を聴くようにしています。それ以外の時は英語の学習、言語の習得をするうえで一応、海外の曲を聴いていますが、試合前は自分が聴きたいものを聴きたいなって(笑)。洋楽はチームメイトがスピーカーで試合前に流しているので、だったら自分は日本の音楽を聴こうかなって感じで聴いています」
――他の地域に観光で出かけたりしましたか?
「去年で言えば、ニューヨークで試合があった後にそのまま何日かオフがあったので、そのままステイしてニューヨークを旅行しました」
――あえて訊きます(笑)。ニューヨークと横浜、どちらが好みですか?
「難しい質問ですね(笑)。良さが違うというか。横浜は美しい街なんですけど、ニューヨークはやっぱり世界のニューヨークなので、単純にすごかったです」
取材・構成●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)