「可能なら7月にやりたい」井上尚弥に牙をむくグッドマンが対戦時期を交渉か 米メディアに告白「誰も無敵ではない」

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ネリ戦後にリングに招かれたグッドマンは、打倒・井上に対する想いを熱くさせている。(C)Getty Images

 世界に衝撃を与えた“怪物”の今後が注目を集めている。

 5月6日、ボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)は、東京ドームで行われた同級4団体タイトルマッチで、WBC同級1位の挑戦者ルイス・ネリ(メキシコ)を6回1分22秒TKOで撃破。4万3000人の大観衆が詰めかけた一大決戦で存在感を示した。

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 初回にプロ初ダウンを喫した井上だが、以降のラウンドはネリを圧倒。最終的に3度のダウンを奪う会心の勝利には世界も熱狂した。そんな迫力満点の試合後に、31歳の王者は、リングサイドに構えていたIBF&WBOスーパーバンタム級1位のサム・グッドマン(豪州)をリングに招き入れ、「次戦は9月ごろ、隣にいるグッドマンと防衛戦の交渉をしていきたいと思います」と堂々と宣言した。

 絶対王者からの“指名”を受けたグッドマンもリング上で「やろうぜ」と呼応。両陣営による水面下での交渉は明らかになったわけだが、現時点で互いに対決の詳細を決めかねている段階のようだ。

 米ボクシング専門サイト『Boxing Scene』によれば、今年3月にマーク・シュライブス(オーストラリア)戦を消化しているグッドマンの陣営は7月の対戦を切望。一方で井上陣営は9月開催を望んでおり、ここで折り合いがつかない可能性もあるという。

 実際、井上と共同プロモーションを担当している米興行大手『Top Rank』のボブ・アラムCEOは、現地時間5月9日に豪スポーツ専門局『Fox Sports』で「(TJ・)ドヘニーが対戦相手になる可能性もある」と言及。グッドマンの印象を語りつつ、交渉の現況を明かしている。

「今の計画ではイノウエは9月に日本で再び戦うことになっている。そして、その経過次第で、年末にリヤド(サウジアラビア)で試合をするはずだ。私は、今週、東京でサムと短い会話をする機会があったが、彼の態度にはとても感銘を受けた。イノウエと戦うのが、9月になるか、12月になるかは分からない。だが、いずれにしましても、年内にサムが戦うのは間違いない」

 一方のグッドマン本人は井上戦実現に歩み寄る姿勢を見せている。『Boxing Scene』の取材に応じた25歳は、「(井上戦が)簡単な仕事ではないことは分かっているし、大きな挑戦であることも分かっている。だけど、俺は偉大になるためにこのスポーツに取り組んでいる」と強調。「このレベルになると、誰であっても打ち負かされる可能性があり、誰も無敵ではないし、誰かがスーパーヒーローにもなれるんだ」と論じ、自身の考えを打ち明けている。

「可能なら7月にやりたい。ただ、場所は、現実的に、日本か、アメリカか、サウジアラビアになるだろうね。この3つの選択肢しかないと思う。オーストラリアに彼を呼び寄せるだけの吸引力があるとは思えないからね。俺はプロとしてまだ敵地で試合をやったことがない。でも、アマチュアでは何度も経験しているし、旅には慣れている」

 対戦そのものは決定的と見られている交渉はどのように落ち着くのか。両陣営の動静に引き続き注目だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]