“審判員のレベル低下”が叫ばれる中、インテル監督ロベルト・マンチーニが女性審判員を積極的に起用するアイディアを訴えた。22日に行われたセリエA第7節、ウディネーゼ対インテル戦では主審が壁の距離をあからさまに計測ミス、ローマ対キエーボ戦では完全なオフサイドを線審がよそ見で見逃すなど審判員のレベルを疑う声が挙がっていた。

特定クラブとの癒着関係が原因で、複数の審判員が停職処分となり迎えた今季のセリエA。スキャンダル審判一掃により“偏った笛”は減少傾向にあるが、“不可解な笛”は増加傾向にある。この惨状を見かねたマンチーニ監督は、24日付のガゼッタ・デッロ・スポルト紙上で女性審判員を積極的に起用するアイディアを打ち出した。記事によるとマンチーニ監督は「あらゆる面で女性が(男性より)優れていると確信している。より教養があり、相手に対する尊敬の念も備えている。何より我々男性にありがちな『しがらみ』がない」と女性審判員起用のメリットを説明した。

“コネ社会”イタリアで、カルチョ界でも“コネ”が持つパワーは“カネ”と匹敵する最強のカード。強豪クラブに気に入られる為に、八百長も辞さないシーズンを過ごす弱小クラブもあった。カルチョ界の大物の親類は労せずして各界の役職に就き、強豪クラブからの贈答品が多くの審判員の笛を湿らした。昨季まで続いた“コネによるしがらみ”は前代未聞のスキャンダルとなって幕を閉じた。

現在セリエAで唯一の女性審判員にマンチーニ監督は「彼女の成功は『女性のカルチョ界進出』の第一歩。前節でミスを犯した?その点は(しがらみによる誤審ではないので)改善できる。将来、カルチョ界に進出する女性のためにも頑張って欲しい」とエールを送っている。