「春のクルマ」なぜ汚れやすい? ボディに付いた花粉・黄砂は放置NG! 車を傷つけない洗車方法とは
花粉・黄砂・樹液… 春のクルマは汚れがち
冬は車内と外気の温度差によって窓ガラスがくもりやすくなります。そして、気温が上がる春になっても窓が汚れたりくもったり汚れたりすることがあります。
この汚れにはさまざまな要因があると言われますが、春の窓ガラスは冬以上にお手入れが必要な場合もあるようです。くもりや汚れを除去するにはどうすれば良いのでしょうか。
冬の窓汚れは、「締め切った状態でのエアコン使用」「車内に持ち込まれた花粉」などが原因となり、内側がくもりやすいとされています。
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春は少し違い、花粉の飛散がピークを迎えることや、3月〜5月にかけて「黄砂」も飛来し、これが汚れの原因となります。そしてこの汚れを放置すると厄介なことになるようです。
洗車専門店に勤務経験がある販売店スタッフD氏に、詳しく聞いてみました。
「花粉はクルマの窓やボディに付着しやすく、さらに黄砂が混じることで汚れが蓄積します。
春は突然雨が降ることも多く、濡れた黄砂が粘土質となってボディ表面の塗装にさらに強く付着し、これが乾くと拭いただけでは除去しきれなくなってしまうのです」
花粉には「ペクチン」と呼ばれるタンパク質が含まれており、粘り気があることからクルマのボディに付着します。そして流れ出たペクチンが塗装面の内部にも入り込んでしまい、腐食やシミの原因になります。
また細かい鉱物の粒である黄砂は、乾いた状態ではザラザラとした触感でボディに傷をつけ、水分を含むと粘土質になります。主成分は「炭酸カルシウム」とされ、そこに含まれるカルシウムやマグネシウムのイオンがボディに固着し、「イオンデポジット」というシミの原因になります。
「花粉と黄砂は両方とも粘土質の性質を持っているため、ボディに付着したらできるだけ早く洗い流すことが重要です。
ウェットシートで窓を拭くだけで済ませる人がいるかもしれませんが、汚れを一部しか取れないばかりか、窓ガラスに細かい傷をつけているのと同じとも言え、おすすめできません」(洗車専門店の元スタッフD氏)
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花粉と黄砂だけでも厄介なのですが、さらに「樹液」もクルマに悪影響を与えます。
樹液も粘着質で花粉と同じ有機物なだけにタンパク質も含まれます。そして塗装面の奥まで浸透し、結果として傷めてしまうのです。
「この時期は駐車する場所にも注意が必要です。特に出先などでは、木のそばに駐車しないようにするだけでも、樹液の被害を軽減することができます。
もし樹液が付着してしまったら、なるべく早く洗い流すようにしたほうが良いです」(洗車専門店の元スタッフD氏)
汚れを除去する有効な手段とは?
春先は「花粉・黄砂・樹液」のトリプルパンチで、クルマのボディと窓に汚れが付着しやすく、結果としてくもりも発生しやすくなる傾向があるようです。
これらの厄介な汚れへの対処法として何が有効なのでしょうか。
「もっとも手軽で有効なのは、水をたっぷり使った洗車です。高圧洗浄機があればさらに窓やボディだけでなく、隙間から入り込んだ花粉や黄砂を洗い流すことができます。
ただし、水圧が強すぎるとゴム部分に負担がかかり、樹脂製品などにもダメージを与えることがあります。
汚れが取れにくい場合は、たっぷりの水で洗い流したあとにカーシャンプーなどの洗剤を泡立て、泡で汚れを浮かせるように洗いましょう」(洗車専門店の元スタッフD氏)
またD氏いわく、花粉や虫の死骸などの有機タンパク質を含む汚れは熱に弱く、80度程度のお湯を部分的に使用することで取れやすくなるといいます。
これは樹液にも有効で、無理やり拭いて汚れを広げるのではなく、お湯を使えば容易に除去できるそうです。
「また、意外に忘れがちなのがワイパーゴムの劣化や汚れです。せっかく窓をきれいにしてもワイパーが汚れていればまたすぐ窓も汚れてしまいます。
ワイパーのゴムは非常に脆い面もありますので、これから到来する梅雨の対策も兼ねて『撥水ワイパーゴム』に交換してしまうというのも良いかもしれません」(洗車専門店の元スタッフD氏)
では、出先や時間がなくて洗車できないのに窓が汚れてしまったとき、応急処置としてどのような対策が適切なのでしょうか。
「できれば精製水(純水)などで汚れを少し浮かせつつ、マイクロファイバークロスなど化学繊維の布で水分を残さないように拭くのが応急処置としては良いでしょう。
ほかには、消毒液などでも使われる『無水エタノール』も汚れを落とす効果は高いのですが、コーティングを傷めてしまう可能性もあるので注意して使ってください」(洗車専門店の元スタッフD氏)
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マイクロファイバークロスはオーガニックな布生地より糸クズなども出にくく、しかも値段がかなり安価になりました。
内窓掃除にもボディの汚れにも使えるので、車内に常備しておくと重宝しそうです。