『世界の果てまでイッテQ!』の企画でコンゴ民主共和国を訪れたイモトアヤコ(写真・時事通信)

 人気バラエティ番組『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)で放送された“不適切な内容”が、国際問題にまで発展するのではないかと話題になっている。

 問題とされているのは、3月3日に放送された「珍獣ハンター」のコーナー。タレントのイモトアヤコが出演する人気企画で、アフリカのコンゴ共和国とコンゴ民主共和国からのリポートが放送された。

「イモトが現地の『ブードゥープロレス』という、プロレスと呪術をかけ合わせたような興行に出る様子などが放送されましたが、その内容に、コンゴ民主共和国大使館が激怒していると報じられています。

 というのも、コンゴには『観光プロモーションとなる美しい自然を放送したい』と取材申請を出していたにもかかわらず、実際に放送されたのは、国の治安の悪さや不衛生さなどが強調された内容だったのです」(週刊誌記者)

 3月25日には日本テレビの会見で、同社専務が「(大使館から)指摘を受けて、理解いただけるよう、説明させていただいている」と、抗議を受けたことを認めている。

 だが、問題はこれだけでは収まらなかった。

「4月2日に開催予定だった『日本・コンゴ民主共和国ビジネスフォーラム』が、3月28日になって急遽、中止されました。その理由について、主催のジェトロ(日本貿易振興機構)のHPでは『コンゴ民主共和国政府・企業訪問団の訪日キャンセルを受け、本フォーラムは中止となりました』と説明しています。

 コンゴは銅やコバルトなど、鉱物資源が豊富で、世界有数の天然資源産出国。言うまでもなく、日本にとっても重要な貿易相手国です。フォーラムでは、両国の官民関係者らが講演やディスカッションをおこなう予定で、ビジネス機会を広げる貴重な場だったのですが……」(同前)

 フォーラムを主催する予定だったジェトロの担当者に話をきいた。

――訪日キャンセルの理由は?

「正直なところ、それは我々にもわかりません」

――『イッテQ!』の影響では?

「そういったことは、我々は聞いておらず、わかりかねます」

――フォーラム中止の影響は?

「参加申し込みは、ほぼ定員(200名)いっぱいでした。年度始めの多忙な時期にもかかわらず、多くの申し込みがあり、非常に高い関心があると、我々もうれしく思っていたのですが、残念です」

 コンゴ民主共和国大使館に連絡を取ってみたところ、訪日キャンセルについては「ノーコメント。スケジュールなど、何もお話しできない」。ただし、『イッテQ!』に関しては「大使館から日本テレビに抗議をおこなったことは事実です。その後も連絡を取っていますが、とくに進展はありません」とのことだった。

『イッテQ!』をめぐっては、2018年放送の「世界のお祭り」企画で“やらせ”が発覚、翌年、放送倫理・番組向上機構(BPO)が「放送倫理違反」と判断したこともある。

 もはや「テレビだから」「バラエティだから」では済まされない時代なのだが――。