イタリアを代表するベテラン選手パオロ・マルディーニ(38=ACミラン)が“家族との時間獲得”に成功した。イングランド、スペインなどと違いイタリア国内リーグ・セリエAでは慣習となっていた“ホームゲームの際もホテル前泊”だが、ACミランは前泊廃止に向け調整段階に入った。

国内リーグ、欧州CL、イタリア杯など過密日程が続く中、ACミラン主将マルディーニがついに動いた。83−84季に名門ACミランの門を叩き、現在までACミラン一筋の大ベテランは先日「(ホームゲーム時の)前泊は意味がないのでは?前泊が廃止されれば40歳まで現役を続ける事が可能だ」と発言、国内リーグの環境改善を訴えていた。ASローマ主将で子煩悩で知られるトッティも「素晴らしいアイディアでイタリアも他国リーグの長所は学ぶべき。家族との時間は選手にとって重要」と追随、前泊廃止案は関係者の間に波紋を投じていた。

「チームとしての結束」を主張する関係者も多いが、サッカー選手の枠を超え慈善活動にも積極的に参加し、カルチョ界発展に寄与し続けたマルディーニの発言は重い。ACミランは22日のセリエA第7節、ホームでのパレルモ戦は各選手自宅からスタジアムに集合する事を正式決定した。監督アンチェロッティは「まだ最終決定ではないが、欧州CLの試合がある週は前泊廃止にする」と選手の声を尊重し条件付きで許可している。

各国代表が揃い疲労が溜まり続けるACミラン、主将としての立場から現場の声をまとめて勝ち取った“前泊廃止”。獲得した権利を逃さない為にも、そして主張が正しい事を証明する為にも、あとはピッチ上で結果を出すのみだ。