【大阪の老舗めぐり】昭和28年創業。Netflixにも登場した「たこ焼き」の名店『うまい屋』の魅力とは
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●大阪・天満エリアで70年以上愛され続ける名店『うまい屋』。他では食べられない不思議な食感の「たこ焼き」を堪能してきた。
大阪・天満エリアは安価な飲食店や居酒屋が集まるグルメ激戦区。天神橋筋六丁目駅から徒歩3分の場所にある商店街「おいでやす通り」には、懐かしい風情ある町並みが今も残っています。
そんな商店街の名物となっているのが、昭和28年創業の老舗『たこ焼き うまい屋(以下、うまい屋)』の「たこ焼き」。Netflixのドキュメンタリー番組「ストリート・グルメを求めて: アジア」で紹介されたこともあり、地元の人だけでなく外国人観光客も多く訪れています。
基本はテイクアウト中心だが、店内でも味わえる [食楽web]
周辺の火事に巻き込まれて店が全焼し1年休業していたこともあったそうですが、苦難を乗り越えて見事復活。年季の入った大きなたこの看板は奇跡的に難を逃れ、創業当時のまま残っているそうです。
テイクアウト中心のお店ですが、今回は出来立てをその場でいただくことに。一人に8個以上注文すると、イートインスペースを利用できます。店内は4人掛けのテーブルが5つあり、レトロ感漂うどこか懐かしい雰囲気です。
初めは筆者一人でしたが次々とお客さんが訪れ、平日の昼過ぎにもかかわらず満席に。
ビールやソフトドリンクも注文できるので、地元の人と思われる男性5人組はビールと熱々のたこ焼きで昼呑みを楽しんでいました。商店街の中にあるので、買い物ついでに食べに来ている方も多くいます。
外カリ中もち!初体験の食感
480円
こちらが「たこ焼き(8個入り)」。何もかかっていない状態でフォークと一緒に出てきました。ポン酢や明太マヨ、塩だれなど、バリエーション豊かな味付けを楽しめるお店が多い中、何もかけない”素焼き”か”ソース”のみという直球勝負。マヨネーズや青のり、削り節などのトッピングも一切ありません。
そのまま食べると、外はカリッと内側はもっちり。中心部分は少しとろっとしていて、生地だけで3つの食感が味わえました。
『うまい屋』では、道具と焼き方にこだわることで、他では食べられない唯一無二の食感を作り上げているんだとか。
おいしさの秘訣は熱伝導率がいい銅の金型
一般的なたこ焼き屋さんでは鉄板を使用することが多いですが、こちらは熱伝導率がいい銅の金型が使われています。特注の銅板で一度普通にたこ焼きを作り、その上からさらに生地を流し込むことでカリカリもちもちに仕上がるそうです。
具はぷりぷりのたこと天かす、紅生姜。シャキシャキとした爽やかな酸味の紅生姜が味のアクセントになっています。生地自体に鰹の旨みがしっかり効いていて、ソースなしでもおいしい。純粋にたこと生地の旨みを堪能できるので、マヨネーズやトッピングがいらないのも納得です。
あっさりソースで味変
いくつかそのままで食べたら、テーブルの上に置いてあるソースを塗りましょう。程よく酸味が効いたあっさりとした味わいなので、たっぷりつけてもたこ焼きの風味がしっかり感じられます。
合計16個食べて気づいたことがひとつ。焼き立ての1個目と最後に食べる8個目の食感が少し違うんです。焼き立ては中央部分がとろっとしていますが、時間が経つと予熱で火が通ったからなのかもちもち感が増していました。テイクアウトで冷めてしまっても、焼き立てとはまた違った味わいが楽しめます。
大阪を訪れた際は、ここでしか食べられない老舗の味をぜひ堪能してみてください。
(撮影・文◎安達春香)
●SHOP INFO
店名:たこ焼き うまい屋
住:大阪府大阪市北区浪花町4-21
営:11:30~19:00 ※売り切れ次第終了
休:火曜 ※祝日の場合営業