マンチェスター・ユナイテッドのアレックス・ファーガソン監督が、バイエルン・ミュンヘンのMFオーウェン・ハーグリーブスに対する未練を改めて口にした。今夏の移籍マーケットで、ハーグリーブス獲得に奔走したファーガソン。カナダ生まれのハーグリーブスも、自身初となる母国でのプレーを熱望したことから、マンU入団は時間の問題と思われた。しかし、25歳のイングランド代表と2010年まで契約を残すバイエルンが、マンUのオファーに対して徹底抗戦の構えをみせたため、今夏中の移籍は叶わなかった。

 中盤のキープレーヤー獲得失敗したファーガソンは、「完璧な布陣が完成していたはず」と、いまだ後悔の念を持ち続けているようだ。

「オーウェン・ハーグリーブスの獲得が成功していれば、中盤のバリエーションは完璧だった。現在のフットボールで必要とされるタイプの選手をすべて手にすることが出来ていたはずだ。残念ながら獲得は成功しなかったが、それでもダレン・フレッチャーやジョン・オシェイが成長している。また、ポール・スコールズも復帰したし、ライアン・ギグスの経験も健在だ。さらに、キーラン・リチャードソンなど、若手も育ってきている」

 また、ファーガソンは、MFパク・チソンの長期離脱も嘆いている。足首の靭帯を痛めた韓国代表は、3ヶ月間の離脱を余儀なくされている。

「パク・チソンが正当に評価されているとは思えない。私がこのクラブで見てきた選手のなかでも、もっとも過小評価されている部類に入るだろう。彼はチームメイトに愛される存在だ。チームスタッフから、『パク・チソンを外すなんて考えられない』という声が上がるほどだ。もはや我がチームに欠かせない選手だ」

 まもなく、マンUの監督就任20周年を迎えるファーガソン。あらゆる栄光を手にしてきた老将も、いまだ理想の中盤の形成に情熱を燃やしている。パク・チソンの復帰、そして1月の移籍マーケットでハーグリーブス獲得が成功したとき、4シーズンぶりの覇権奪回に大きく近づくことになるだろう。