「井上はなぜ日本を離れない?」――噴出したファンの“疑問”に米興行関係者が断言「フルトンが快諾したのは理由がある」

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21年6月のマイケル・ダスマリナス戦を最後に国内での試合を続けている井上。そのワケを米識者が説いた。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext

 文字通りの大舞台での、大一番に熱視線は注がれる。3月6日、ボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)とWBC1位のルイス・ネリ(メキシコ)は、来る5月6日に東京ドームでタイトルマッチを行うと正式に決定した。

 同会場でのボクシング世界戦は、1988年と90年にヘビー級王者のマイク・タイソン(米国)が出場して以来3度目。まさに歴史的と言える一戦は、ネリにとっても大きなチャンスだ。

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 2017年と18年に行われた山中慎介との対戦の際にネリはドーピング違反と体重超過のトラブルを起こし、王座剥奪とともに、日本ボクシングコミッション(JBC)から日本で無期限資格停止処分が下されていた。だが、この試合決定に先がけて、JBCが活動停止処分の解除とライセンス申請資格の回復を決定。井上とのビッグマッチ実現にこぎつけた。

 JBCの処分が解除されなければ、アメリカを中心に日本以外での対戦の可能性もあったかもしれない。それでも両陣営が日本、さらに東京ドームという檜舞台での開催にこだわったのは、“金脈”が眠っているからだと指摘する声は尽きない。

 井上が契約する米興行大手『TOP Rank』のエバン・コーン氏は、X(旧ツイッター)でのファンによる「この男(井上)は日本を離れない……。なぜだ」という投稿に反応。興味深い持論を展開している。

「日本、特に軽量階級の試合で生まれる収益は莫大だ。チャンピオンだったフルトンが東京でのイノウエ戦を快諾したのには理由がある」

 両陣営の合計約10億円という軽量級史上最大の収益を生み出したとされる昨夏のフルトン戦を引き合いに出したコーン氏。井上の持つ市場価値の高さを論じた同氏の投稿は、シンプルだが、実に説得力のあるものだと言えよう。

 ネリ戦の他にも4つの世界タイトルマッチが組まれ、井上が「とてつもない興行」と語ったビッグイベントは、どのような様相を呈するのか。その行く末が世界中から注目されるのは間違いない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]