チェルシーのジョゼ・モウリーニョ監督が、またもや批判の槍玉に挙げられた。メンバー選考について、選手の父親から非難の声が上がっているのだ。批判の主は、元イングランド代表FWで、チェルシーのMFショーン・ライト=フィリップスの義父としても知られる、イアン・ライトだ。

 ライトは、2005年夏のチェルシー入団以来、ライト=フィリップスのスタメン出場がわずか12試合に留まっている現状について、ポルトガル人監督の起用法を糾弾。義理の息子(ライト=フィリップスはイアン・ライトの養子)に移籍を勧める考えを明らかにした。

「チェルシーは、ショーンの獲得に2100万ポンド(約46億円)もの大金を費やした。しかし、いまだ90分間出場するチャンスすら与えていない。他のチームを探すべきだろう。監督のお気に入りでないことは明らかだからね。さらに、クラブで出場できないおかげで、代表でもチャンスを失っている。まさに悪循環だ。ファンはサポートしてくれているが、監督にチャンスを与える気はないらしい。実際、ショーンもチームを出たがっている。欲しがるチームはいくらでもあるはずだ」

 さらに、批判の矛先をチェルシーのプレースタイルにまで向けたライトは、プレミアリーグの優勝争いが激化すると断言した。

「今までのところ、チェルシーのプレーは決して褒められたものじゃない。華麗なプレーを披露できるだけの選手を集めているのに、歯車がかみ合っているとは言いがたいね。アーセナルやマンチェスター・ユナイテッドがもうすこし調子を上げることが出来れば、チェルシーが順位を落とす可能性もある」

 選手の親から、痛烈な批判を受けたモウリーニョ。アーセナルで一時代を築いた往年の名選手のコメントとは言え、選手起用やプレースタイルに対する批判には、毅然とした態度で対処するはず。父親のコメントから、移籍希望の意思が明らかになったライト=フィリップスは、一層厳しい立場に立たされるだろう。親心から出た監督批判は、逆に息子の出番を奪う結果となりそうだ。